精進料理関係依頼のお引き受けについて方針転換です

毎年、確定申告の関係で年が明けると、昨年一年間に行った活動を整理します。
今年は諸事情により一月に料理関係の依頼が重なったため、結局整理するのが二月になってしまいました。昨年も多くの依頼を受け、たくさんのご縁を結ぶことができました。

おもだったものだけを掲載しておりますが、典座ネット本体の活動報告の欄をご覧下さい。

人前で講演などお話をしたり、料理教室を行うことは、わたし自身の大切な修行です。
布教の先生は、時に「布教とは技術ではない。たとえ詰まりがちでたどたどしいなはなしかたでも、正しく真摯な説法は聴衆の心を打つものだ」と指導してくださいます。
もちろんこれは話術だけに頼って心や行いが伴わない説法をいましめるための極端な言い方ですので、これを真に受けて技術をほったらかしにしてはいけません。

またある先生は「布教というものはお釈迦様の教えをお取り次ぎするものだから、話す人の能力はたいして重要ではない。素晴らしい教えというものは、誰が話してもありがたいものだ」といいます。
もちろんこれも極端なタテマエでして、実際に、いくら心がこもっていても、いくらありがたい話でも、つっかえつっかえ話したり、声が小さくて聞き取りにくかったり、話の構成がわかりずらかったりすると、現実には聴衆はまともに聴いてくれません。
やはり良い教え+最低限必要な話術、があってこそ相手に伝わると思います。


平成22年5月 利根町食生活改善推進協議会 精進料理教室


平成22年11月 みなかみ町食生活改善推進協議会 精進料理教室


平成22年12月 片品村武尊ペンション協会研修 精進料理教室
精進料理教室で人気の胡麻豆腐つくり。失敗なく参加者に作っていただくには、場数を踏んだノウハウが欠かせません。

某戦場カメラマンさんのゆっくり間を取った話し方が人気です。

しかしテレビ番組のような短時間ならともかく、その口調とテンポで一時間の講演をずっと聞くのははたしていかがでしょうか。
ましてや、さあ炒めて、火加減を変えて、といった時間が勝負の慌ただしい料理教室にその口調は向かないでしょう。キビキビした指示がなくては最適なタイミングを逸してしまいます。
逆に、状況説明や場面設定はテンポ良く流れるように話が進み、肝心のヤマとなる部分でゆっくり間を取って語りかけるように話すなら非常に効果的です。
こうした、法話におけるリズム、テンポ、時間配分、起承転結の構成といったいわゆる技術的な面、すなわちノウハウは、机上ではなかなか得られるものではなく、実戦の現場の場数をこなしてこそ得られるという面があると思います。
しかもその技術を、これみよがしに表に出して聴衆に感づかれることなく、自然に話の流れの中で活かすには、かなりの修練が必要になります。

ですから、自分の話がヘタッピだと認識していても、遠慮していてはいつになっても上達しません。ですから依頼があれば臆することなく引き受け、自分の修行だと思って人前に立つようにしています。
そしてその反省を次に生かすことで、少しでも話が上達すれば・・と思っております。
せっかくの精進料理に関するありがたい教えですから、少しでも多くの人に、上手な話でお伝えすることができる日がいつかくるように、と考えています。
そのためにも、多くの依頼があることは大変ありがたいことだと感謝の気持ちでいっぱいです。

さて、ここからが本題です。
今後も今まで同様に、なるべく多くの依頼を引き受けたい、そう思っておりましたが、寺の事情でそうもいかなくなりました。昨年の暮れに、私の師匠である父が曹洞宗のとある役職に就いた関係で、寺の葬儀や法事などの檀務や事務等を私がつとめる割合が増えるためです。

今までは、よほどの無理な依頼以外は引き受けてきましたが、以後数年の間、講演や精進料理教室などを引き受ける数を減らさねばなりません。
依頼があっても、日程等の条件で引き受けることができない例も増えてくると思いますので御了承ください。どうしても、という場合は要相談ということになります。

→師匠の役職が任期満了となりましたので、現在は以前通り依頼をお受けしています。(2016年追記)

外に出て行う講演や料理教室の数を減らす分、比較的自分で時間を調整して作業することができる執筆やレシピ作成など、主に出版に関する方面に力を入れたいと思っております。
表に出ない間、少しでもやせなくては・・・

出版社の皆様!是非とも尊いご縁をお待ちしております。

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