昨年後半の活動報告

長らくご無沙汰しておりました。
以前お知らせしたとおり、一昨年の暮れから、師匠が曹洞宗のとある公職に就いたため寺が忙しい毎日が続いております。その上、昨年4月から私が地元消防団の責任者を引き受けることになったため、特に秋以降は自由な時間がほとんど無いほど多忙でした。

そんななか、昨年の8月お盆前の一番お寺が忙しい時期に、ブログやホームページのデータをアップロードするために契約していた有料インターネットサーバーがなんと突然サービス終了してしまうことになってしまいました。当面は自動的に他のサービスに間借りする形で自動移転したため、とりあえずは表示や書き込みは可能な状態になっていたのですが、そのままブログを続けるには色々と都合が悪く、早く移転先と新規契約し直してデータを移さなくては、とずっと気にかけながらもまとまった時間がとれず、悶々としておりました。

年明けの忙しい時期が過ぎ、1月後半は比較的お寺が落ち着く時期なので、ここ3日ほどかけてようやくなんとか無事にサーバー移転作業を終えることができました。
簡単にデータが移転できるならもっと早く着手したのですが、出来あいのブログサービスではない独自プログラムで、それを作動させる旧サーバーと新サーバーでは細かい仕様が違ったりして、予想以上に移転作業に手間取りました。
しかしなんとか無事にネット環境の移転も済んだため、またぼちぼちブログ更新も再開したいと思います。

さて、忙しかったからとはいえ、昨年後半精進料理活動を何もしていなかったわけではありません。忙しすぎてブログで紹介しなかっただけで、例年にもまして多様な活動を行いました。
代表的なものをまとめて紹介しておきます。

まずは講演や精進料理教室。

8月、群馬県桐生市内、曹洞宗某寺院の精進料理教室。暑い中での開催で、料理が傷まないかちょっと心配でしたが、冷房設備がある会場だったためトラブルなく成功することができました。
なぜわざわざ暑い時期に開催したかというと、お盆にお供えする精進料理をお檀家さんに教えて欲しいという住職のリクエストによります。皆さん、今日教わったレシピをお盆で戻ってくる御先祖様にお供えしたいとおっしゃっていました。

10月、同じく群馬県桐生市内、8月とは別の曹洞宗寺院での精進料理教室。
今回の対象者は梅花講の講員さん。そのため、料理を作った後本堂に移動し、手作りの精進料理を御本尊様にお供えする儀式を行い、続いて心のこもった梅花流詠讃歌をお唱えして供養いたしました。
もちろんその後参加者一同で料理をいただきました。
参加者のお一人が、「梅花も精進料理も、自分が心を込めたものをお供えするという意味では同じですね」とおっしゃっていました。

11月、群馬県渋川市内、曹洞宗寺院での精進料理教室。
台所が狭いので・・と住職が申し訳なさそうにしていましたが、専用の調理台がなくても、空き部屋に会議机をならべれば作業台になります。座って野菜を切ったり盛り付けたりするのは現代人には違和感があるかもしれませんが、昔はこれが主流でした。みな新鮮な経験ができたと口々におっしゃってました。大変好評だったようで、早くも翌春頃もう一度行いたいと予約が入りました。

11月、群馬県沼田市内、「ソバを作る会」での精進料理教室。
これは手打ちソバの愛好家の集まりで、みなさん手打ちソバについてはプロ顔負けの腕前の持ち主ばかりで、ほとんどの方が有段者の全国検定に合格した看板所持者です。ですから料理の腕もセミプロばかり。ふだんは一汁三菜、つまり6品を作る場合が多いのですが、今回はそれだと早く終わってしまうだろうと言うことで一汁五菜、8品の料理に挑戦しました。
なお市内のそば屋さんを借り切って行い、群馬県ローカル紙「上毛新聞」などに記事が掲載されました。

最後は12月、東京都内駒沢学園保護者会の精進料理教室です。
駒沢学園は曹洞宗の教えを建学精神とする、幼稚園、中高、短大、大学を設けた一大学園です。教育方針の一つに「行学一如」(ぎょうがくいちにょ・知識での学習と、現実社会での実践の両立を重視する教え)を掲げていますが、まさに文字通り、曹洞宗の教えを机で学ぶだけではなく、実際にやってみることを大切にした教育が行われています。
ちょうど臘八接心期間中だったため、生徒たちは少し早く登校し、始業前に坐禪堂で坐禅を修めてから授業を受けるとのこと。
学園内の素晴らしい調理実習室を借りて、保護者会の皆さんを対象に行われました。
今まで私が経験した会場の中でも最高クラスの充実した設備の中で、またほとんどの方がお若い参加者ばかりで、楽しく和やかな雰囲気の中、丁寧で細やかな調理ができました。

そして出版関係ですが、『大法輪』誌連載、「こころと身体を養う精進料理」 、9月に第11回「里芋」、11月に第12回「白菜」、1月に第13回「麩」を題材とした料理レシピが刊行されました。現在「喜心老心大心」の三心について説いています。

12月には朝日新聞土曜版be 「やさい流」の連載が掲載されました。

年開けて1月には株式会社カザン刊『月刊食生活』第106号の「食材塾」もやしに取材記事が掲載されました。

最後に講演ですが、12月に群馬県内前橋市にて、群馬県税理士協同組合前橋支部・大和ハウス工業合同研修会にて、「日常に活かす永平寺精進料理の心」と題して講演を行いました。
税理士の方と精進料理がどうつながるのか、と不思議に思うかも知れませんが、永平寺の修行時代に学んだ多くのことは、精進料理を題材としてはいますが、分野が違っても、どんな仕事にも応用できる教えです。そのあたりをお話ししたところ、みなさん熱心に聞いて下さいました。

ということで、このほかにもまだまだたくさんの活動を行いましたが、公開してもさしつかえないものを中心に、主なものをピックアップしてご紹介いたしました。

今年も多くの皆さんとご縁を結び、精進料理教室、講演、法話、原稿執筆、取材等、自分でできる範囲で精一杯がんばりたいと思っております。今年もなにとぞよろしくお願いいたします。

 

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