きのこのおかゆ_臘八摂心二日目

○粥有十利とは

昨日の基本の白粥に続き、今日は応用編として具を混ぜたお粥の炊き方を紹介します。重複する部分は省きますので、まずは昨日の基本編を読んでからこちらに進むとなお理解が早いと思います。

白粥はまだ病人の食事のようだなあ、と疑いの目で?見ていた方もおられるかもしれませんが、どうですかこのきのこのおかゆの美味しそうな仕上がりは。これはもうごちそうですよ。これをお寺で口にしたらたぶんやみつきになる美味しさです。病気の時だけでなく、平常時にこそ食べたい料理です。

禅僧が朝食の前に唱える種々の偈文(げもん・短いお経)の中に、

「粥有十利(しゅうゆうじり)」という文言があります。

文字通り、お粥には十の利点がある、という意味です。その十の利点をわかりやすく順を変えてまとめると、

・食べ過ぎとならず体が安楽になる
・前に食べたものが残らず胸やけしない
・栄養があり飢えが去る
・のどの渇きがおさまる
・便通も良くなる
・色つやが良くなる

・気力が増す
・口臭が爽やかになる
・風邪を引かない
・長命となる

間が空いているところは、即時的効果の後、結果的に~になる、というような利点でしょう。

古来、お粥の良い点がこれだけ認められてきたのです。
おかゆを知らぬうちに遠ざけていた方は、是非このキノコ粥を食べてみてください。きっと、認識が変わることでしょう。

継続すれば、十の利点が感じられると思います。是非ご自宅でお試し下さい。きのこのおかゆ_レシピ

○きのこのおかゆのレシピ

1 お米を研ぎ、20分以上浸水させて鍋に移し、水を加えます。ここまでの注意点は昨日の白粥と同じです。今回も分量はお米60ml、水360mlです。

なお味付きのお粥の場合は水ではなく昆布ダシを使うとなお濃厚な仕上がりにすることができます。

今回は鉄鍋ではなく土鍋を使いました。効果は昨日の鉄鍋より少し落ちますが、保温性は高くお粥に向いています。

2 しめじ70~100gほどをほぐし、鍋に入れます。

きのこのおかゆ_レシピ

普段は使わずに捨ててしまう石突き部分も、ボソボソした部分だけを取り除き、後は無駄に捨てず、細かく切って入れてしまいます。

きのこのおかゆ_レシピ
味付けとしてしょうゆ大さじ1を加えます。

きのこのおかゆ_レシピ

3 フタをせず、強火で加熱します。

きのこのおかゆ_精進料理レシピ

4 沸騰したらすぐにごく弱火に落とします。土鍋も、鉄鍋と同じようにすぐに対応しないと吹きこぼれやすいので気を付けて注目しておきます。

きのこのおかゆ_精進料理レシピ

5 弱火に落とした時点で、一度アクをすくいます。それほどきれいに取り除かず、中央の目立つ部分だけ少し取れば充分です。

きのこのおかゆ_精進料理レシピ

同時に、下部に固まったお米を軽く混ぜてほぐします。白粥に比べて、しょうゆや具を加えたお粥の場合はここで軽く混ぜておかないとお米の塊ができる場合があるからです。しかしかき混ぜすぎてはいけません。本当に一度だけ軽く混ぜるようにします。

きのこのおかゆ_精進料理レシピ

6 フタをしてタイマーをかけます。 きのこのおかゆ_精進料理レシピ

土鍋の場合は、大きめの蒸気の抜け穴があいている場合が多いので、箸を挟む必要はないでしょう。ただこれも昨日と同様に、吹き出し過ぎている場合は火加減が強すぎるか、鍋の大きさに対して分量が多すぎます。写真のように、ほんのちょっとだけ漏れ出てくる程度が適しています。

きのこのおかゆ_精進料理レシピ

7 25分ほどで火を止めて蒸らします。

きのこのおかゆ_精進料理レシピ

8 5分以上蒸らしたらできあがりです。

きのこのおかゆ_精進料理レシピ

このように、具を一緒に炊き込む方式は、具の味が出るためお米に味が染みてとても美味しく仕上がります。きのこ類は良いダシが出てしょうゆの風味と良く合います。ただししょうゆを入れすぎるとこの淡い風味が台無しになるため、少しだけ茶色い色が着く程度にするのがコツです。

きのこのおかゆ_精進料理レシピ

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きのこのおかゆ_レシピ

きのこのおかゆ_レシピ

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