○小芋の粉ふきいも梅ダレかけの魅力と特徴
この時期、ジャガイモの小さい粒(小芋)が出回ります。
いちいち皮をむくのが大変だということもあり、大きなじゃがいもに比べてとても安価です。確かにこれを一つ一つ皮をむくのは大変ですが、逆に考えて無理に皮をむかず、汚い部分だけをタワシでざっとこすって水洗いすれば良いのです。むしろざっくりした自然に近い風味が残り、かえって野趣に溢れた仕上がりとなります。
粉ふきいもは昔から人気ある基本料理の一つです。通常は、皮をむいたジャガイモを一口大の乱切りして、ゆで汁がなくなるくらいにゆでたら塩をふり、全体にからめることで表面がポロポロとほぐれ、これが粉を吹いたようにみえることから「粉吹き芋」と呼ばれます。食感は粉を吹いた部分がフワフワ柔らかく、とても軽やかな料理です。
今回は小芋を使うので乱切りにしません。皮をすべて残すのでは無く、汚れた部分を中心にしてタワシで一部すりおとしておくと、塩が表面について粉が吹きやすくなります。
残りのゆで汁が少なくなってきたら、鍋から目を離してはいけません。うっかりすると焦げて台無しになってしまいます。残りの水かさが1センチくらいになってきたら鍋をゆすって全体に湯がかかるようにし、残り3~5ミリくらいで火を止めて下さい。そのくらいの量は、火を止めた後数回鍋を揺すれば、蒸発して無くなってしまいます。そこにすぐ塩をふりかけて全体に行き渡らせるようにします。冷めてしまうと、うまく粉が吹きませんのでご注意下さい。
梅ダレは、梅の状態によって少しアレンジが必要です。自家製のすっぱい梅の場合はレシピの通りにみりんを沸騰させて加えて、粘度を低く伸ばしますが、市販の甘めの梅干しならそのままプロセッサーにかけるか、みりんだと甘くなりすぎるので水やダシで薄めるとよいでしょう。また加えるみりんやダシ、水の量は梅干しの乾き具合によっても増減する必要があります。
○小芋の粉ふきいも梅ダレかけの調理手順とレシピ
1 梅干5粒の種を取り除きます。
2 小鍋でみりん大さじ1~2を沸騰させます。少量すぎるため、鍋を傾けて加熱すると効率よくできます。
3 1の梅と2のみりんをフードプロセッサーにかけ、梅ダレを作ります。
4 いんげん100Gのへたを取り、長すぎるものは5センチ以内になるように切り、塩ゆでします。ザルにあげ、自然に冷まします。
5 小さめの馬鈴薯(小芋)500gほどを良く洗い、皮が汚れているところや土が濃いところはタワシでこすってキレイに落とし、芽を取り除きます。
こういう堅い部分はしっかりこすります。
右がもとの状態、左がよくこすった状態です。皮が一部すり切れて部分的に内部が出るくらいにこすります。
6 小芋がひたるくらいの水とともに鍋に入れ、強火で加熱します。
7 沸騰したら中火に落とし、そのまま水分が蒸発してほとんど無くなるまで加熱します。
8 ほぼ水分が無くなったら、火力はそのままで、鍋を傾けながら水分を全体に行き渡るようにしながらさらに蒸発させます。
9 ほぼ水分が無くなったら火を止め、なるべく間を空けず熱いうちに塩小さじ一杯を全体的にふりかけ、鍋ごとゴロンゴロンと芋を混ぜ回しながら塩を行き渡らせます。
すると塩の効果で芋の表面がポロポロにほぐれてふわふわになります。
10 芋を盛り付け、4のいんげんを添えて3の梅ダレをかけます。