伊勢崎市仏教会 恐山院代南直哉老師講演を拝聴

伊勢崎市仏教会 南直哉老師講演

平成29年10月2日、伊勢崎市仏教会主催による恐山院代、南直哉老師の講演が伊勢崎市文化会館にて行われました。

伊勢崎市は群馬の中でも勢いある大都市です。仏教会の活動も活発で、いくつかの宗派が持ち回りで講演会の幹事を務めるのだそうで、毎回各宗派の一流どころを講師に招いて、ありがたいことになんと無料で講演が行われています。

今まで何度か拝聴していましたが、今回は人気の南老師なので早く行かないと席が無くなると思い開場直後に入ったところ、受付で県の仏教会の役員さんに見つかってしまい?各地区仏教会長は開会式来賓として檀上に上がってもらわないと!みたいなことになってしまい冷や汗が・・・でもそのおかげでステージ裏での準備の様子も見ることができ、良い勉強になりました。拙地区の仏教会は残念ながらこれほど大規模の講演を催す力はないためうらやましい限りです。

南直哉老師の講演はもう2ケタ回ほど拝聴しています。それだけ多くの機会があるということは、人気や主催者側からの人気が高いということです。こうした老師のお話しを聞くのは、法話をする側の末席を汚す者としては最高の勉強になります。何回も聞いたからいいや、ではなく、吸収しようとする姿勢さえ持っていれば聞くたびに新たな発見があるものです。

何度も聞いたエピソードも各所にありましたが、今までの講演と大きく異なる部分がありました。

今までは主催者が曹洞宗の場合が多かったのですが、今回の講演はいくつかの宗派が協力した団体が主催です。今まで聞いた講演では話の最後が近づくほどに、曹洞宗の教義を前面に出し、それまでに話した笑い話やエピソードも教義にからめてしめくくっておられたのですが、今回はそうした流れとは全く違う構成でした。これは暗記するほど何度も聞いたから気づいたことで、初めて聞く人はまったくわからないほどよどみない流れの中で構成しなおしているのが正直スゴイと思いました。

おそらく推測するに、曹洞宗の教えを前面に出すと、それが他宗派にとっては教義から外れてしまう部分もあるわけで、その辺を考慮して、誰が聞いても納得でき、また日常に活かせるような部分にスポットを当てて再構成したのではないかと感じました。私としては一聴講者としての視点と同時に、僧侶として布教する側の視点も併せて受け止めているわけですが、今回の内容はどのような聴講層にも受け入れられるもので、逆に今まで聞いた曹洞宗バージョンよりも新鮮でした。非常にためになり、行って良かったと感じた講演でした。

会場を出るとあいにくの雨でしたが、聴講者たちが「いやーよかった!」と口々に興奮気味に感想を述べ合っていたのが印象的でした。

淡々と進むお話も良い部分がありますが、聴講者を惹きつける魅力的な話術があってこそ多くの方に仏教の素晴らしさを伝えることができる、あらためてそう感じました。南老師も軽妙に話している裏側では、入念な構成と準備、確認などをなさっていることは間違いありません。少しでも近づけるよう、今後引き続き努力していきたいと思います。

素晴らしい講演を主催して下さった伊勢崎市仏教会の皆様に感謝致します。

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