精進料理のダシについて12 かおり高き揚げ昆布

前回はだしがら昆布を無駄にせず、柔らか煮にするアイディアをご紹介しました。

今回はもっと簡単にできるだしがら昆布の利用法をご紹介します。


精進料理のダシについて12 かおり高き揚げ昆布

ダシを取り終えた昆布を、軽くゆすいで、物干し竿などにぶら下げ、天日で1~2日くらい干します。乾くと、ダシに使う前の状態、つまり売っていた時とほとんど同じ状態になります。ほんの少し湿気が残っていてもかまいません。(下の画像)


精進料理のダシについて12 かおり高き揚げ昆布

乾いた昆布を、キッチンはさみで小さく切ります。この際、利尻昆布のように身が厚い昆布の場合は、小さめ(3?四方くらい)で、日高昆布や羅臼昆布のように身が薄い昆布の場合は大きめに(5~6?四方)切ると良いでしょう。

油を200℃くらいの高温に保ち、昆布を素揚げします。油に入れて2~3秒で薄茶色になってパチ、パチと音がして揚がりますので、すぐに引き上げて下さい。乾燥が不十分な場合は少し油が飛び跳ねる場合があるので注意して下さい。

キッチンペーパーを敷いたりする場合は、紙タイプのものなら平気なのですが、厚めの不織布タイプの場合は昆布に張り付いてしまう場合があるので注意して下さい。

揚げたら熱いうちに塩を少々ふりかけるだけです。天ぷらなどの温度より高めの油で、瞬時に揚げる方法によりパリッと揚がります。焦げるということは温度が高すぎるか油に浮かべる時間が長いということです。なお、くれぐれも高温の油には十分注意して下さい。

永平寺に泊まると夕食に出される網目状に編まれた蛇腹昆布(吉祥昆布)と同じ作り方です。ご家庭では網目に細工するのは難しいので、平べったい形で揚げればよいと思います。

昆布を油で揚げるなんて普通はしないでしょうが、とても香ばしいかおりが漂い、しかもパリパリした食感と、噛むほどにしみ出る昆布のうまみがなんともいえません。一度食べるとやみつきになるおいしさで、晩酌のおつまみにも最適です。

だしがら昆布を無駄にせず最後まで生かすこの献立、ぜひいちど作ってみて下さい。作った感想、コメント欄でお待ちしております。


精進料理のダシについて12 かおり高き揚げ昆布

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コメント

  1. 村上 弘哲 より:

    約10年ほど前、永平寺に参拝し、昼食をいただきました。そのとき、こんぶの揚げ物をはじめていただきました。美味でした。あのときの精進料理は、一生の思い出です。