手作り梅干その3 土用干し

今日は土用の丑の日。世間一般では、暑さを乗り切るためにうなぎを食べる日?として有名です。ただ、今年はうなぎの産地偽装問題の余波を受け、中には売り上げが4割近く落ちた販売店もあったとか。一方、国産うなぎをその場でさばいて蒲焼きにしてくれるお店では、偽装のおそれがない本物を求めるお客さんで、かえって例年より売り上げがあがったようです。海外の冷凍物よりはるかに高価な国産に人気が集中する事実から、消費者がより安全な食を求めている傾向を表しているように思います。
そんな中、我々料理人は「まがいもの」ではない「本物」の料理を今まで以上に求めていかなくてはならないと強く感じます。

さて、ほとんどの方は土用というとうなぎを連想すると思いますが、先日来紹介している梅干しにとっても土用は大切な時期です。
それは「土用干し」といいまして、この夏の暑い時期に、漬けたばかりの梅をザルに上げて天日で干すのです。だからこそ「梅干し」というわけです。手作りの梅干しを作らない人も増えていますので、けっこう知らない若い方も多いのではないでしょうか。
昔はこの夏の時期になるとそこら中の家の庭で梅をひろげたザルを見かけたものです。
今の時代、特に都会ではやたらに干すと排気ガスなどで汚れるような気もしますし、無理にしなくても梅干しはちゃんとできあがります。(その場合の梅干しを「梅干し」というかどうかは微妙ですが・・・)特に、今回紹介した少量の梅干しの場合、たぶん早めに食べ終えてしまうことになるので、土用干しをしなくても大丈夫です。

では土用干しにはどんな意味があるかというと、

・日光に当てることによる消毒効果。大量の梅を長期保存するには重要。
・余分な水分をとばすことにより、表皮が硬く、中身は柔らかくて甘い梅になる。
見栄え的には、しなしなのしわしわになり、色が鮮やかになる。

といった感じです。逆に、カリカリ梅的な堅めの食感が好きな人は干さない方がいいかもしれません。

梅干しの土用干し

次に土用干しの方法ですが、

・漬けた梅干しをザルに取り出します。赤しそも汁気をしぼってザルに並べます。
(漬け汁は絶対にすてないように)
・午前9時くらいから、午後4時くらいまで、日当たりの良いところに干します。
雨にあたると台無しなので、できれば庇があるようなところやベランダなどが
良いです。夕立は大敵なので、振りそうな日は早めに回収します。

・1日目は、夕方回収したら漬け汁に漬けなおします。
・2日目は、夕方回収したらザルのまま室内や台所のすみに置いておきます。
・3日目は、夕方になっても回収せず、夜の間も外においたままにしておき、
4日目の朝に朝露にあて、4日目の午後1時頃に回収し、漬け汁に戻します。
(表皮が硬くないのが好きな人は、4日目の午前9時頃には回収します)

なお、このやり方は人それぞれ独自のこだわりがあるので、いろんなやり方があります。統一する意味はありませんので、自分の好きにやればいいと思います。
また、途中天気が悪い日があったら、その日は無理に干さず、漬け汁に戻して延期し、後日続きをします。あまりとぎれとぎれだとうまく仕上がらないので、だからこそ晴天が続くこの時期に干すわけです。

もし干している最中に雨が降ってしまったら・・・できれば濡れないようにしたいのですが、やむを得ないときは渇いた布でひとつづつ丁寧に水分を拭き取り、焼酎を霧吹きでかけて消毒し、再び漬け汁に漬けて、2日くらい経ってから土用干しをやり直します。

さて、今日こんなニュースを目にしました。おちおち土用干しもできない時代になり、一仏教者としてまことに残念です。

梅干し盗まれる 天日干し中、せいろごと(和歌山)
7月24日17時19分配信 紀伊民報

田辺市上秋津のビニールハウスで24日午前7時ごろ、天日干ししていた梅干しがせいろごと大量に盗まれているのを所有者の農業男性が見つけ、田辺署に通報した。たるに詰めた梅干しが盗まれる事件は過去にも発生しているが、これから選別やたる詰め作業が必要な天日干しの段階での盗難は珍しい。男性は「せいろごと盗まれたというのは聞いたことがない。世知辛い時代になった」と話している。
盗まれた実は多くが干し始めたばかりで乾燥していないが、完全に乾いた状態で約250キロ分に相当するという。

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Posted by 管理主宰者・典座和尚