平成23年版 お盆のお供え精進料理膳~一汁五菜~

今年もお盆がやってきました。


先日「ももた」さんからお盆のお供え膳についてコメントをいただき、ご要望に応えるべく、本年版のお盆のお供え精進料理を公開すべく、早くから料理写真を撮影し、準備を進めていましたが、お盆前に連日豪雨が襲い境内掃除が思うようにはかどらず、パソコン前に座る時間が取れず遅くなってしまいました。
残念ながらお盆時期ギリギリの公開になってしまいましたが、どうぞご参考になさってください。

なおお供えの基本やお盆ならではの解説は一昨年の記事をご参照ください。

今年のお膳見本は「一汁五菜」形式の精進料理です。
つまりご飯、汁、漬物、おかず五品です。

昨年の記事では一汁三菜でしたので、それよりさらに二品増やした形式です。
この品数だとかなり上級のもてなし膳ということになりますので、そんなにたくさん食べきれないという方や、調理時間が長く取れない方は適宜品数を減らし、一汁二菜~三菜程度で良いと思います。なお、市販の仏膳セットを使う場合は一汁二菜分しかお椀がないため、うつわのフタを裏返して皿として使います。


まずは「古代米のご飯」
黒米を加えることで赤飯のようなきれいな赤紫色に炊きあがります。
黒米はスーパーのお米コーナーなどで、小袋で売っています。
旬の枝豆を加えて風味を出すのがポイント。

1 白米170mlに対し黒米大さじ1杯程度を混ぜ、通常同様に研ぎ、
15分ほどザルにあげる。
2 ゆでた枝豆50gの皮をむく。
3 炊飯器の釜に1と2を入れ、酒大さじ1、塩小さじ1/4を加えて、
通常の水加減をして炊く。


汁物は「じゃがいもとなめこの味噌汁」
旬のじゃがいもを少し煮崩れるくらいに柔らかく加熱するのがコツです。
なめこを加えると汁にとろみが出て味がまろやかになります。
加える具は適宜変えてかまいません。

1 鍋に水400mlと昆布3gを入れて一晩おく。
2 じゃがいも2個の皮をむき、乱切りにして1の鍋に入れる。
3 鍋を中火で加熱し、じゃがいもに火が通ったら弱火に落とし、
なめこ50gともやし30g、オクラの輪切り1本分を加えて3分ほど煮る。
4 昆布を取り出し、弱火に落とし、味噌大さじ1程度を溶いて火を止める。


平椀は「とうがんのくず煮」
冬瓜(とうがん)は扁平形のすいかのような形をした野菜です。冬瓜と書きますが旬は夏で、保存が利き冬まで持つからこう呼ぶと言われます。そのまま煮ても、冬瓜自体にはあまり味がないので、ダシを利かせた煮汁などにとろみを加えてからめて味をつけます。本来は本葛粉でとろみをつけるため「くず煮」と言いますが、片栗粉で代用可能です。暑い日は冷やしてもおいしくいただけます。

1 とうがん350gの皮をむき、種を取って面取りする。
2 鍋に水300ml、昆布5g、1、酒大さじ2、みりん大さじ1を入れて中火で加熱する。
3 とうがんが柔らかくなってきたら昆布を取り除き、弱火に落とし、
薄口しょうゆ小さじ2,おろししょうが小さじ1~2を加え、
味をみながら塩を足す。
4 とうがんに火が通ったら水大さじ1に片栗粉小さじ1をよく溶き、
強火にして沸騰させ、煮汁をよく混ぜながら水溶き片栗粉を少しづつ加え、
とろみを付ける。
※ダシに使った昆布を細く刻んで加えても良い。


膳皿は「夏野菜の田舎風白あえ」
塩ゆでした夏野菜を豆腐のあえしろで味付けします。
ポイントは、あまり細かくすりあげず、豆腐の粒が残る程度にすり混ぜる点。
これにより、田舎風のざっくりした仕上がりになります。
逆にフードプロセッサーで細かくすりつぶせば、トロトロでなめらかな上品な仕上がりになりますのでお好みで変えてください。

1 カボチャ150g、人参30g、しめじ50g、アスパラガス50gをそれぞれ
食べやすい形に切り、塩ゆでする。
2 木綿豆腐150gをふきんでくるんで重しをかけ、
水気を切ってすりばちの中でつぶす。
3 小鍋で酒大さじ2,みりん大さじ1,砂糖小さじ1,しょうゆ小さじ2、
塩少々を加熱してアルコール分が飛んだら2に加え、さらに白ごま大さじ1
を加えよくすり混ぜる。
4 1の野菜を3であえる。


小皿は「ナスの甘味噌炒め」
炒め物を一品加えると献立にボリュームが出ます。
夏が旬の野菜を炒め、甘く練り上げた八丁味噌で味を付けます。
特にナスは油と相性が良いのでお薦めです。

1 八丁味噌(赤味噌)大さじ2,酒大さじ1,みりん大さじ3,ザラメ砂糖大さじ1,
白砂糖大さじ2、しょうゆ小さじ2を小鍋で加熱し、
よく練りあげてトロトロにする。
2 ナス150g、ズッキーニ50gを輪切りにする。
赤、黄パプリカそれぞれ30gを種を取り細切りにする。
3 2を170℃の油で素揚げし、1であえる。
※またはフライパンに油をしいて2を炒め、その中に1を入れてからめても良い。


坪は「めかぶの酢の物」
市販のめかぶはほとんど味付きのため、そのまま盛り付け可能です。
好みでもずくでも代用できます。
味付きでない場合は、米酢を昆布ダシで薄めて味をつけてください。

1 胡瓜30gを輪切りにし、塩少々をふって塩もみし、しばらく置いておく。
塩がなじんで胡瓜がしなしなになったら軽く水ですすぎ塩気をとる。
2 梅干しの種を取り除く。
3 めかぶ100gをうつわに盛り、1と2をのせる。


椿皿は「果物のおろしあえ」
果物を使ったデザート風のさっぱりした料理です。
加える果物は好みで自由に変えてかまいません。
大根おろしに少し酢を加えるのがコツです。

1 大根150gをすりおろし、30分くらい置いて辛みを飛ばす。
2 米酢小さじ2,塩少々を加えて味を付ける。
3 オレンジ200g、キウイ120g、レタス30gをそれぞれ食べやすい大きさに切る。
4 2で3をあえてもりつける。

「ももた」さんのコメントで、「坪」に盛り付けるのは胡麻豆腐以外にどんなものがありますか、というご質問がありました。
今回は坪に「めかぶの酢の物」を盛り付けましたが、他に例えば煮豆なども良いでしょう。
(写真は花豆の煮物)坪と似た形で猪口(ちょく)という器もあるのですが、どちらも、胡麻豆腐のように崩れやすいもの、あるいはめかぶのような流動物、また煮豆やひじきなど、主たる煮物とは別の、二つ目の煮物を盛り付けるのが原則です。今回の献立の中では、果物のおろしあえなどを坪に盛り付けても良いですね。
たまにお檀家さんの家にお経をあげに行くと、坪にご飯が盛り付けてあったり??よく見かけますが、やはり日本人ですからどのうつわに何を盛り付けるかという基本は守りたいですね。

なるべく簡単な手順で作ることができる料理を集めたのですが、それでもレシピに書くと長いな~。しかし手間をかけた精進料理は亡き人への最高のお供えになります。
ぜひ心をこめた料理を作り、御先祖様にお供えしてあげてください。

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Posted by 管理主宰者・典座和尚