タケノコづくしの精進料理教室

先日あるお寺からの依頼で精進料理教室を行いました。


リクエストは、お寺の裏にある竹やぶで採れるタケノコをたっぷり使った「タケノコづくし」の献立を、とのこと。
あく抜き、下ゆでを含めて前日からおうかがいしてきました。

「~~づくし」という要望は、それほど難しくありません。むしろ、いろいろな食材を組み合わせる献立に比べ、材料費が格段に安くすむメリットがあります。今回も、タケノコ以外の材料は数千円ですみました。あとは、同じ材料でいかに飽きさせない変化に富んだ献立を組むか、という点だけです。

ただし難問なのは、「寺の竹林で採れるタケノコを使って」という要望です。もし「寺の田んぼで採れたお米で」というように、収穫後保管が効く食材なら問題ないのですが、タケノコは採れる時期がごく限られています。
精進料理教室の開催は1ヶ月以上前に決められており、参加者にも通知されているわけですが、その時期にタケノコが採れるかどうかは予測が難しいのです。天候等により、時期が大幅にずれることもあり、たまたまその日に招くからざる不埒者が無断で盗っていってしまう恐れもあります。

今年の春は天候の関係で作物の収穫が全体的に遅れていたこともあり、精進料理教室の開催を遅めに設定。予想がうまく当たり、無事に旬のタケノコを楽しむことができました。

ただやはり直前になると、もうタケノコがだいぶ出ているので開催日には出終わってしまうのでは・・という不安な日々が続き、精神的にはあまりよろしくありませんでした。もし半年前くらいに日程を決めなくてはいけない料理教室だったら、自家製の食材を使用するという希望はかなえられないこともあるでしょう。


(写真はぼかし加工されています)

お寺で行われる精進料理教室の良い点は、できあがった手作りの料理を、まずはご本尊さまにお供えする儀式を行うことができることです。苦労して作った精進料理をうやうやしくお供えし、お焼香することで、食の意義やありがたさが実感として体験できます。

その後、住職による「五観の偈」の先導にあわせてお唱えを行い、皆で揃って料理をいただきました。
今年は現在のところ、9月・11月末~12月はじめなら多少の開催余裕があります。開催希望の方はメールにてお問い合わせ下さい。

当ブログでは今年の春、タケノコ料理のレシピを紹介して参りました。まだまだ紹介したい料理がたくさんありますが、さすがに6月になると孟宗竹は入手できる地域が減ってくるため、残りは来年紹介しようと思います。

記事が気に入ったら是非SNSでアクションをお願いします☆