典座和尚のひとりごと

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典座和尚のひとりごと

仏教誌『大法輪』9月号で執筆

仏教誌『大法輪』9月号に執筆しました。 今回の特集はかなりユニークです。大法輪誌とのおつきあいも長いのですがかなり攻めていると思います。 特集「仏教でやってはいけない10ヵ条」と題しまして、編集部がカテゴリーごとに10の禁止事項を設定し、各執筆者がその理由などを展開していくという形です。 たとえばわかりやすいカテゴリーでいうと、「お寺参りでやってはいけない10ヵ条」の中には「境内で断りもなく飲食すべきではない」「勝手に写真を撮ってはいけない」「仏像が仏画に勝手に触れてはいけない」「参道の真ん中を歩くべきではない」というような項目があり、各禁止事項の解説をよめば、それはつまり「お寺参りの際に気をつけるべき点」が10にまとめられているということです。 「気を付けるべき点」として10項目羅列するよりも、「してはいけない点」として挙げた方が記憶に残りやすいような印象ですし、いつもと少し変わった視点で特集を組んだなあという気がします。 読者にとっては「葬儀社を安さだけで選ぶべきでない」「喪主や遺族に故人の死因をぶしつけに聞くべきでは無い」「古い塔婆を放置するべきではない」というような、宗派を超えた実用的知識も役立ちますし、僧侶である私自身、「施餓鬼作法が終わったらその場所を振り返ってみてはいけない」「他の宗教を信じる人に密教を説いてはいけない」「橋の上で杖をついてはいけない」など他宗派の教えで知らなかったことや参考になったこと、あるいは「本尊にお供えしたお供物のお下がりは食べてはいけない」というような普段自分で説いていることと全く逆の見解も載っていてある意味驚きました。もちろん、それはどちらが間違いと言うことではなく、他見解を知ることが良い勉強になりますね。 後は「読経は近所迷惑になるほど大声でするべきではない」「大声で念仏をすべきでない」など、確かに曹洞宗でもそうした教えが明確にありますが、宗派が異なるとその理由が違う点などおもしろいなあ、と感じながら読みました。 なお私が担当したカテゴリーは「在家信者がやってはいけない10ヵ条」。 お題が難しいのに割り当て文字数が少なくて、踏み込んだことが書けず、表面的にまとめるしかなく苦労しました。 
典座への道(精進料理基礎指南)

平成30年8月盆のお供え精進料理膳

今年もお盆の時期になりました。 お盆の期間というのは地方によって大きく異なります。おなじ市でも、地区が違えば日程も違うこともよくあり、川のむこうとこちらでは迎え盆の日が変わったりします。ましてや全国的には大きな差があり...
季節の精進料理

誤解されているみょうが尊者の故事

みょうがを食べると忘れ物をするとか、テストの点が悪くなるとか言いますね。 これはひどい誤解であります。  昔、周利槃特(チューダパンタカ・周利槃陀迦・修利槃特・須梨槃特などとも書きます)という出家者がお釈迦様の弟子になりました。彼はものすごく記憶力が悪く、自分の名前も覚えられないために名札を首から下げていたそうです。説法も理解できずに苦しんでいましたが、お釈迦様は彼に「塵を払い、垢を落とさん」と唱えながら「皆の履き物を掃除する修行」の課題を与えました。履き物の泥や汚れをきれいにするのはとても大変でしたが、彼は嫌がらずに一生懸命それをこなし、やがては自らの心の塵や垢、つまり煩悩まできれいに落ちて悟りの境地に達し、阿羅漢の位を得たのです。  そして槃特尊者の死後、埋葬されたお墓から生えてきたのがミョウガです。  尊者が昔自分の名前を荷なっていたため、「茗荷」と呼ぶようになった・・・という話が日本で「ミョウガ宿」という昔話でおもしろおかしく広まったためにミョウガ=物忘れという不名誉な誤解を定着させることになりました。(ちなみにミョウガ宿というのは欲の深い宿の主人が、金持ちの客にみょうがをたくさん食べさせて財布を忘れていかせようとたくらんだものの、自分が宿代をもらうのを忘れてしまって損をしたという広島県に伝わる昔話です)  しかしですね、私はその昔話に惑わされることなく、本来の槃特尊者の故事の方を重んじるべきだと思います。難しい仏教理論がわからなくても、お経が覚えられなくても、みんなが嫌がる辛い仕事を挫けることなく地道に続けて悟りを得た、これはもう私たちにとって最高の修行の見本ではありませんか。 またミョウガは「仏のご加護」を示す「冥加」の字も充てられるありがたい食材です。薬味としても独特の香りと食感がたまりません。 少なくとも私は、ミョウガを食べることで槃特尊者にあやかって、毎日のなすべきことを嫌がらず、コツコツと真面目に続けようと思います。だって私なんかこどもの頃からミョウガ大好きでたっぷり食べてますけど試験の成績はいつも良かったですよ? 「ミョウガ=物忘れ」どころか、「ミョウガ=まじめな努力」、のイメージを広めていきたいと思います。
典座への道(精進料理基礎指南)

禅寺の梅干作務_平成30年版

( ⇑ 梅の葉にしがみついたセミの抜け殻 ) ◇今年の梅は異常な不作 毎年恒例の梅干作務(世間で言うところの「梅仕事」です)も佳境を迎えております。 今年は六月中に関東梅雨明け、そして激しい猛暑が毎日続きました。昨年はうち...
典座和尚のひとりごと

季刊『禅文化』誌で連載開始

季刊『禅文化』誌にて今号より連載が始まりました。 全5回~6回の予定で、精進料理について書き下ろします。精進料理の歴史、魅力、特徴などを幅広く、堅苦しくなりすぎないようにエッセイ風にまとめます。今回は連載を通じての課題や注目点など、精...
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