○節分豆の飛竜頭の魅力と特徴
飛竜頭(ひりゅうず)は当ブログでも今まで何度か扱いましたが、つぶした豆腐に野菜の具を混ぜて固め、油で揚げた料理です。一説には、ポルトガル料理にfilhos(フィロース)という米粉を丸めて揚げた料理があり、それを江戸時代の人が聞いて飛竜頭、と漢字を当てたといわれます。空を飛んでいる竜の頭、だなんてセンス良い当て字ですね。ちなみに飛竜頭は関西での呼び方で、関東では「がんもどき」「がんも」などと呼びます。
これに節分の豆を加えると、大豆の食感と風味が加わって非常にボリュームたっぷりの仕上がりになります。もちろん大豆以外の豆もよく合いますし、水で戻さない節分の豆でもカリッとした食感となります。
煮汁で煮ないでそのままサクッとカリカリの食感のまま食べるのもよし、柔らかふんわりに煮汁で煮るのもよし、どちらでもお好みでどうぞ。
特に気をつけるポイントは以下の3点です。
1 何よりもまず豆腐の水気をしっかり切ることです。水っぽいと、丸める時にベトベトしてしまい失敗します。
2 次に油の温度です。高温だと、内部に火が通るまでに周囲が焦げてしまいます。中までゆっくり熱を加えるために、170度ほどの油で少し長めに揚げます。
3 衣をまぶす際はあまりいじりすぎると粉が粘ってきます。丸めたらササッところもを全体にまぶすようにして、あまり団子をいじりすぎないようにします。
○節分豆の飛竜頭の調理手順とレシピ
1 節分の豆50~70gほどを水に浸けて戻します。
2 木綿豆腐400gに2kg以上の重しをかけて1時間以上おき、水気を抜きます。
3 ひじき3g、乾しわかめ5gほどをそれぞれぬるま湯または水に浸して戻します。
4 3のわかめが戻ったら細かく刻みます。
5 人参の切れ端や皮など15gほどを細かく刻みます。
6 2の水を切った豆腐を裏ごしします。
7 ボールに移し、片栗粉大さじ2を加えてよく混ぜます。
8 水気を良く切った3、4、5のひじき、わかめ、人参を加えて良く混ぜます。
9 1の大豆を加えてよく混ぜます。
10 春菊50gを塩ゆでします。
冷水に浸し、揃えて握って水気を絞ります。
11 3~4㎝の幅に切ります。
12 鍋に昆布ダシ400ml、酒大さじ2、みりん大さじ1、しょうゆ大さじ1をひと煮立ちさせて煮汁を作ります。
13 しょうが30gほどを皮を剝き、すりおろします。
14 ボールに片栗粉大さじ3、小麦粉大さじ5ほどの割合でよく混ぜます。
15 9を団子状に丸め、14の粉を全体にまぶして170度の油で揚げます。
16 12の煮汁を弱火で加熱し、15の飛竜頭の全体に煮汁を含ませるように転がします。
17 11の春菊を添え、13のおろししょうがを乗せて盛り付けます。
なお16で煮汁に浸さず、揚げたままのカラッとした状態で食べても美味しくいただけます。