○玄米麦ご飯の魅力と特徴
精米したお米を白米といい、精米する前のお米を玄米と呼びます。薄茶色のお米の殻の部分を削ることで、中の白いお米を露出させ、いわゆる白米にして頂くことが多いわけですが、この削って取り除いてしまう部分に、お米の栄養がたっぷり含まれているのです。それを捨てずにそのまま頂く方が食物繊維やビタミンB系など、栄養的に優れているため、最近は玄米食が非常に注目されています。さらに今回はその玄米に、麦を加えて炊飯します。一昔前までは麦や玄米は、白米に比べて甘みが少なく、食感もボソッとしがちで、また独特の香りが敬遠されていましたが、今や炊飯技術の向上、また流通する麦の品質も良くなって、そうした特徴も、逆に個性的で美味しく感じるという方が増えています。
たしかに白米にくらべると消化が多少悪いのですが、硬い分、しっかり嚙むことが大事です。嚙むことで唾液の成分が作用してまた味がよくなり、消化も良くなりますし、咀嚼による顎の健康などにもつながるでしょう。
実は修行道場でも、玄米や麦が多用されており、あまり多くの食材を摂取することができない修行僧の栄養バランスを支えています。
最近の炊飯器は玄米モードを備えているものが多く、普通に炊飯器で炊くこともできますが、今回は圧力鍋を使う方法を紹介します。電気がなくてもガスがガスボンベがあれば炊飯できますし、炊飯器の味と圧力鍋の味はまた仕上がりがだいぶ違います。是非お試し下さい。
ただ圧力鍋は説明書きをよく読まずに使うと危険な場合があります。お持ちの圧力鍋の使用法をしっかり確認してからお使い下さい。
また少人数のご飯を、毎回圧力鍋で炊くのは大変なので、ある程度の量をまとめて炊き、1食分に小分けしてラップで包み、冷凍しておき、毎回電子レンジで解凍して食べるというのも一人暮らしでは便利な方法です。
なお今回のお盆お供え膳では、この玄米麦ご飯の上に、ナスの蒲焼きを載せて丼仕立てにしました。これがまた素朴で美味しいこと・・・
ご先祖様には、かつて召し上がっておられた懐かしい玄米麦飯の味をお供えすることでよき供養となるでしょう。
○玄米麦ご飯の調理動画
○玄米麦ご飯のレシピと調理手順 (約4人分)
1 玄米(精米していないお米)2合(360ml)ともち麦大さじ3(45ml)を水ですすぎ、多めの水に1~2時間くらい浸します。時間があれば半日浸しておくとなおふっくら仕上がります。
2 水を一度取り替えて再度すすぎ、水加減をします。お米の表面から五ミリ~1センチくらいに水面がくるようにします。仕上がりの柔らかさの好みでこの量は変えてかまいません。
3 圧力鍋に移してフタをきちんとしめ、強火で点火します。
4 圧力鍋の空気抜きから蒸気が漏れ出てきたら、火をごく弱火に落として、そこから15~25分ほど加熱し、蒸気の量がそれまでよりも目に見えて減るまで続け、火を止めて2時間以上蒸らします。その間フタは開けず、自然に冷めて圧力が抜けるのを待ちます。
5 フタが軽く開くのを確認してゆっくりあけ、焦げていないことを確認してからよく混ぜます。