◇カボチャの豆腐胡麻クリーム煮の魅力と特徴
カボチャは夏が旬です。お盆の頃になると採れ始めるため、お盆のお供え精進料理に使う定番食材です。
でも感覚的には秋から冬にかけてカボチャが美味しい気がしませんか?そうなのです、採れたてのカボチャよりも、1~2ヶ月おいて追熟させた方が水分量も適度に減って、やわからくまた甘くなるのです。ですから夏に採れたカボチャをそのまますぐに食べると「ちょっと水っぽい」「なんだか甘味が足りない」「煮崩れやすい」ということになりやすいのです。(カボチャの品種や状態にもよります)
そこで今回、カボチャを煮ないで蒸すことで初心者にとって一番の失敗である「煮崩れない」「水っぽくならない」、豆腐胡麻クリームであえることで「濃厚な味を足すことができる」とメリット盛りだくさんの調理法をお薦めします。蒸すことで固さを調整しやすいため、煮崩れても良いから柔らかくしたい、という方もギリギリのラインを見極めやすくなります。
蒸しただけでは味が染みないため、蒸し上がった熱い状態で煮汁に少しだけひたして味を染みさせます。クリームを加えずにカボチャ煮として仕上げても良いです。
またクリームは味を濃くしたい場合は胡麻の量または煮汁の量を増やすか、砂糖を適宜加えます。煮汁を増やしすぎると色がついてしまいますのでほどほどにしましょう。
この調理法のデメリットは、豆腐クリームを使うため、余り長い間おそなえした料理のお下がりを食べるとこの暑さで傷んでしまう可能性があることです。線香が燃え尽きる間くらいにお供えしたら下げていただくと良いでしょう。
◇カボチャの豆腐胡麻クリーム煮の調理手順とレシピ
1 カボチャ300gの種を取ります。
スプーンのヘリをこするようにして種のフチの柔らかい部分を落とします
2 一口大に切り分けます。なるべく同じ大きさに揃えた方が火が均一に通りやすくなります。
時間があれば皮の厚い部分を適宜削いだり、面取りしたりしても良いです。今回の料理の場合はしなくても大丈夫です。
3 蒸します。カボチャの堅さや水分量によりますが、5~10分程です。串がスッと刺さるくらいになったら火を止めます。
4 蒸している間に煮汁を作ります。昆布ダシ300mlに酒大さじ2、みりん大さじ1、砂糖大さじ1、しょうゆ大さじ2をひと煮立ちさせます。
5 蒸し上がったカボチャを沸騰した煮汁にいれ、30秒ほど加熱して火を止め、自然にさめるまでおいて味を染みさせます。あまり柔らかくするとあえる時に崩れやすくなりますが、それでも良いからトロトロのカボチャが好きという方はもう少し長く加熱すると良いでしょう。
6 カボチャがさめたら煮汁だけを別の鍋に移し、一口大に切った厚揚150gを5分ほど煮て味をつけます。
7 豆腐150gと白胡麻大さじ2、厚揚の煮汁大さじ3をフードプロセッサーで混ぜて豆腐胡麻クリームを作ります。
8 煮汁を切ったカボチャと厚揚に7を混ぜます。
9 ようすをみて、もう少しクリームっぽい方がよければ煮汁を適宜足します。