連日紹介しているさつまいもレシピシリーズ、同じような見栄えの料理が続くと飽きてしまいますよね。
禅寺でも、食材の寄進を受けることがあります。永平寺のような名高い修行道場では、是非この食材を使って、頑張っている修行僧に料理を出してあげてください、という信者からの現物寄進がよくありますが、数百人が修行している寺ですので足りないといけないから、とものすごく大量に納めて下さることも少なくありません。せっかく頂いたありがたい食材も、モタモタしてたら傷んでしまい、せっかくの功徳主の気持ちを損ねてしまうことになりかねません。そんなときは同じ食材を使っても、食べる者を飽きさせないように工夫するのが典座=料理長の腕の見せ所です。ご家庭でも、家庭菜園で大量に収穫できたり、お裾分けでたくさん頂いたり、特売で箱買いしたりと、同じ食材をたくさん入手するケースはよくあるのではないでしょうか。
今回はさつまいもを使って、ちょっと目先を変えた調理法です。
サックリサクサク、パリッパリの春巻の皮に、柔らかな食感のさつまいもの甘みがホクホクにとろけます。具を細く切ることで、大きな固形を口に入れるのとは違って口の中でほぐれやすく、繊細で上品な風味を得ることができます。中に包む具は一例なので無理に揃えず好きな食材をお使い下さい。さつまいもだけを使っても良いでしょう。
1 さつまいも100g、いんげん50g、人参50gを細切りにします。
2 春巻の皮を1枚ずつはがし、菱形に敷いて、中心より少し手前に具を適量並べます。
3 まず手前をめくって上側にかぶせます。
4 次に右、左を折り込みます。このとき具がばらけないように、芯となるようにギュッと締めるような感じできつく押しつけます。
6 最後に上の部分を手前に巻き込みます。最後の接する部分には、お湯を少し塗ってふやけさせ、ギュッと押して剥がれないようにはりつけます。うまく着かない場合は小麦粉少量を同量の水で濃い目に溶いて糊代わりにして貼ります。
7 170度ほどの油で、少しゆっくり目に中まで火が通るように揚げます。重さが偏ると片側だけしか油に浸らない場合があるので、箸などで向きを固定して両面きつね色になるまで2分以上じっくり揚げます。
8 揚げ網にあげて2分ほど余熱が中に通るまでおき、場合によっては食べやすいように半分に切って盛り付けます。