『禅文化』254号 発刊 精進料理連載お薦めです

禅文化 254号

『禅文化』誌の最新号254号が発刊されました。

6回目となる精進料理連載は修行道場での精進料理について、貴重な写真を多数添えました。是非ご覧下さい。

ここ数号は非常に興味深い記事が満載で、多くの方にお薦めしたい濃密な内容となっています。今号の特集「叢林の音」はなかなか他誌ではお目にかかれないとても希有な特集です。「叢林」というのは修行道場のことですが、禅宗の音について、かなり詳しく紹介されています。臨済宗の鳴らし物や声明、読経などについての記事は非常に勉強になるものもあり、また一部は「うーん、ここについては曹洞宗の見解からするとちょっと違和感があるな?」という後につながる部分もあり、読んでいてとても楽しめます。中でも洗足学園音楽大学教授、澤田篤子氏の「禅における声明の音楽的特徴」は曹洞宗についても多く触れられています。なかなかこうして宗派を横断しながら「音」について考察されている論考は珍しく、いつも無意識に行じている実技に理論的裏付けを与えてくれるという意味では宗侶必読です。細かい部分で?という箇所も少々ありますが、僧侶でない方がここまで詳細に研究なさっていることに驚きました。

また本多道隆師の記事では臨済宗の修行生活と鳴らし物が写真付きで紹介されています。曹洞宗の方は残念ながら今回は記載がありませんが、宗侶であれば自分で対比もできて非常に有用です。また仲森裕樹氏の記事は木魚の製作工程について、とても詳細に書かれており、住職としては是非知っておくべき興味深い内容です。

他にもとても勉強になる記事ばかりなのですが、特に今回の「音」に関する特集は、企画を考案実行なさった編集部に深い敬意を表し、多くの方にお薦め致します。

禅文化 254号

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