前回の続きで、いよいよ味を付けます。
アクを抜いた栗を良く洗い、栗の表面に、筋のような皮がめりこんでいたらそれを楊枝の先でつついて取り除きます。生のままの時と違い、ある程度簡単に取れるはずです。
次に何度か水を取り替えて清水に10分ほど漬けます。
皮に残ったアク成分をきれいな水ですすいだら、栗を鍋に入れ、栗の深さの二倍くらいになるように水を張ります。
鍋に砂糖と酒を加えて加熱し、沸騰したら弱火に落とし、紙フタか落としぶたをしてコトコトくらいにゆでます。
水1リットルに対して砂糖は500~700gくらい使いますが、一度に加えると染みこみが悪いので、まずは半分の量の砂糖を加えます。さらに、砂糖のうち3/2は白砂糖、残りの1/3はザラメ砂糖を使うとコクが出ます。スッキリした味が好みなら、すべて白砂糖でもかまいません。
仕上がりのポイントは、とにかく火加減を弱くして気長に煮ること。
通常の煮物とは全く別だと理解しないといけません。火を通すのが目的では無く、煮汁をゆっくり減らしていくのが主旨です。
まず初日は1~2時間くらい煮て、煮汁がひたひたくらいに減ったら火を止め、フタをして自然に冷まします。まあだいたい半日くらいは放置します。
すると煮汁を栗が吸ってさらに減るので、水を栗がひたひたになる深さ+1センチくらいに足し、さらに残りの砂糖も足して同じように弱火で加熱します。
時間があれば、さらに同じ作業をもう一日繰り返すと良いのですがそこまで時間をかけられない場合は二日で仕上げることもできます。
煮汁が写真くらい減ってきたらしょうゆを小さじ2くらい、みりんを大さじ3くらい足します。
煮汁がほとんど無くなってきたら鍋をゆすって煮汁が上部にもかかるようにしながら、煮汁が5ミリくらいしかない状態まで加熱して火を止めます。
照りを出さずに地味なつや消し仕上げにするならみりんはくわえなくても良いです。
また、煮汁を煮詰めずにかなり多めに残せば、てかりがなくサラッとした仕上げにできます。
まあその辺はお好みですね。
栗を割ってみると中はホクホクです。冷蔵庫で1ヶ月半くらいは持つので、栗が出回る11月中旬に作ればお正月のおせちにも最適です。