トマト

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季節の精進料理

精進ラタトゥイユ_平成三十年秋彼岸のお供え膳

 ラタトゥイユは炒めた野菜を煮込んだフランスの料理です。 主に夏野菜を使うことが多く、特にトマトやズッキーニ、ナスなどを使い、セロリやハーブを加えて風味を出します。鳥肉やベーコンを加えて旨みを出すことが多いですが、今回は干し椎茸を使って肉の食感の替わりとしました。 もともと「ラタ」はいろいろな食材を一度に煮込むこと、「トゥイユ」は混ぜるを意味します。フランス料理といっても高級レストランで出される豪華イメージのおしゃれな料理ではなく、南フランスプロバンスのニースでは郷土料理として親しまれてきた素朴な料理です。日本ではけんちん汁や豚汁のようなものでしょうか。 フランスではかつて軍隊や刑務所などでもよく出されていたようで、日本で懲役に行くことを「くさい飯を食べに行く」というように、ラタトゥイユには粗末であまり美味しくない料理という隠語的な意味合いでも使われてきたようです。 しかし健康ブームの今、日本でもかつて麦ご飯をくさい飯と陰で呼んでいた時代はとうに過ぎ去りました。今や麦ご飯や玄米の方が健康によいとしてもてはやされる時代ですし、きちんとした手順で調理した麦ご飯はくさい飯どころかとても滋味深く美味しいものです。同様に、かつて軍隊や刑務所でありあわせのものを不充分な調理で作るのではなく、きちんと調理すれば野菜たっぷりの健康的で深い味わいの上等な味に仕上がります。 道元禅師は、『典座教訓』で、「粗末な料理、材料だからといって軽んじてはいけない。ありあわせの材料でも、不充分な設備でも、できる範囲で最大の努力と工夫を惜しまず、高級食材を扱う時と同じ態度で精一杯料理するべきだ、そうすればどんな材料でも極上の味わいになるものです」と説いています。 その教えに基づき、飾り切りでむいた皮も捨てずに細かく刻んで加えます。これにより食材を無駄にせず全て使い切る精進料理の心をご家庭で生かすことができるのです。刻んだ皮は加熱時にとろけてしまいますが、それによってスープが濃厚になり、軽いとろみをつけることもでき、かつ味も深くなります。トマトを1/3量刻んで加えるのも同様の理由です。輪切りの前に飾りむきをするのは、固い皮を部分的にむくことで食感を柔らかくするためと、剝いた皮を煮溶かすためです。その上見栄えも良くなるわけですから一石三鳥といえるでしょう。
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五色そうめん_平成30年8月盆の精進料理お供え膳

これだけ暑い夏だと、冷たい素麺をツルツルッとすすりたいですよね。それはお盆でこの世に帰ってきたご先祖様や亡きご家族のみたまも同じことです。「いやー、極楽と違ってこの世は暑いなア!おっ!冷たいそうめんかい、やっぱりうちの嫁さんは気が効くねー」なーんて言ってたりして。 暑い日には涼やかな料理を、というのがもてなしの基本です。それは故人へのお供え膳でも同様です。そしてまたおそうめんというのはみんなで食べると美味しさが増すものです。懐かしいわが家に戻ってきたご先祖様たちと皆でいただくおそうめん、今日からお盆の入りです。是非いつもより手間をかけた具だくさん、薬味たっぷりのご馳走おそうめんでおもてなしを致しましょう。 上載せする薬味や具を色とりどり5種類用意したことで「五色そうめん」と名付けました。麺自体がカラフルな5色になっている製品もありますが、今回はそれとはまた別のネーミング由来です。 メインは「ナスの胡麻油もみ」です。塩もみして柔らかくした後、胡麻油をなじませます。これがまた、単独でご飯に載せてもよいくらいとても美味しい一品です。ただし長時間おくと変色しやすいので食べるごとに作るようにしましょう。そうめんの場合はめんつゆの塩気があるので今回はナスにはあまり味をつけませんでしたが、単独でおかずにするならしょうゆを少し足すと良いでしょう。 トマトはひと手間かけて皮を湯むきした方がとろけるような柔らかさを楽しめます。ゆですぎるとドロドロになってしまうので、本当に20秒くらいで湯を切って氷水に浸けて下さい。 オクラで少しトロトロっとした食感を出し、大葉とみょうがで風味とシャキシャキ感を演出します。 また昆布と椎茸で時間をかけてとったていねいな精進ダシでつくった汁も軽やかでサッパリしています。汁の濃淡はお好みで調整して下さい。 5色全てを用意するのが難しい場合はお好みの三色や二色に減らしても良いでしょう。また暖かい汁でも美味しくいただけます。 今日からお盆、是非よいご供養をなさってください。 
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