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新著『典座和尚の精進料理』刊行します

わたしの新刊書、『典座和尚の精進料理~家庭で楽しむ110レシピ』(大泉書店・定価1200円税別)がまもなく刊行されます。突然のようですが、実は昨年の暮れから依頼を受け、1月から撮影に入り、コツコツと1年近くもかけて作成してきた力作です。

本書は、「家庭で手軽に実践できる精進料理の本を」というコンセプトで作られた点が大きな特徴です。世の中に精進料理の本はたくさんありますが、見た目は良くても、あまり家庭で手に入らないような珍しい食材を扱っていたり、難しい技法が必要だったり、実際に家庭で作るのは少々難しいものが多いようです。

その点、この本は基本的にスーパーで売っている食材で調理できる家庭向けの献立ばかりを厳選、見た目や飾りなどにはあまりこだわらず、素朴な禅味を基本姿勢としております。
しかも調理法別に分けてあるため、献立も立てやすく、また季節や調理者の経験に応じてさまざまな料理に取り組むことができます。
どの献立も、特別な技術がなくても調理することができる、まさに家庭向けの内容です。お寺に伝えられてきた教えを、僧侶だけが守り伝えていくのではなく、一般のみなさんにもどんどん伝えて行きたいという強い願いによるものです。

わたし自身、1冊まるごとの著作物はこれで3冊目ですが、今までの2冊は、わたしが永平寺東京別院に籍を置いていた関係もあり、永平寺の監修という形で発行しましたが、今回は独立後?はじめて取り組んだ書籍です。
そのため、今回は永平寺など修行道場の紹介は少なめにし、あくまでも家庭向けの内容を中心にしております。
たとえば、ほとけさまにお供えするお膳の作法、法事の団子の作り方、おはぎの作り方など、家庭で仏事の際に役立つ精進料理知識も満載です。
もちろん、精進料理の教えやまごころもコラムなどで解説しています。

しかも、レシピ数はなんと110点も掲載しました。オールカラーでこの定価、なんとも嬉しい低価格です。正直言って、同じ値段のレシピ本と比べてみてください。このレシピ点数でこのお値段は、他にないですよ。

もう一つの特徴、なんとこの本、料理写真はわたし自身が撮影しました。
いや、そりゃあもうプロに比べたらお恥ずかしい写真かもしれませんがね、料理人自身でないと撮れないポイントってのがあると思うのです。「この料理は、この味噌だれのトロトロ加減が売りなんだよなあ~」とわかっている調理者だからこそ、味噌だれのてかりを強調して撮ることができるというわけです。

ですので、この本、調理・撮影・レシピや本文の執筆、お皿の準備や小物などの選定など、すべてわたしが担当するという、自分で言うのもなんですが、今までそんなスタイルは聞いたことない驚きの料理本なのです。
だからこそ刊行まで一年近くもかかったわけですが、実際作成中は、本当に一人で全部できるのだろうか、と冷や汗をたっぷりかきました。
こんな無謀な企画を実現してくださった大泉書店さんと、担当のUさんにこの場を借りて深く御礼申し上げます。

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