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梅仕事も終盤


今年の梅収穫もそろそろ終盤です。高地のため一般的な梅の産地とは1ヶ月近く遅れています。


良い状態の梅は木になった状態で青いままもぎます。
これが非常に大変な作業です。特に今年は毛虫が多くて困りました。


集めた梅はまずシンクに集めて葉や枝、ゴミなどを取り除きます。
お店で売っている品と違って梅自体に微細な汚れやゴミが付着しているのでしっかり洗い流します。


水気が残っているとカビの原因になってしまうため、ザルにあげて良く乾かします。


大型のプラ樽にあら塩とともに入れて重しをします。


一日半くらいで梅酢が上がって梅をひたします。三日以上かかるようだとカビが生えたり、梅が傷んで梅酢が濁る可能性があります。


収穫時期終盤になると、梅の木の下には自然に落ちた梅がいっぱい。
梅の木の上の方だったり、枝の形の関係でどうしても踏み台や手が届かない場所の梅が落ちたり、もう少し大きくなるまで待つかと思っていたら風などで落ちてしまったりしたものです。
毎日見張るわけにはいかないので、落ちて数日経った梅はすでに痛みはじめているものもあるため、よくチェックしながら落ちて間もない、状態の良いものを選別します。
落ちたのを拾うなら楽だと思われるかもしれませんが、腐った梅には虫や汚れがついているため、これまた大変な作業です。


今年の落ちた梅はカゴに3杯分。多少傷んだものももったいないのでとりあえずカゴに入れます。


まずシンクに水を張って梅をよく洗い、選別します。浮いてくる梅はだいたい傷んでいる場合が多いです。落ちた梅なのでしっかり汚れを落とします。


これだけたくさんの梅が、拾わなければ無駄に地面で腐ってしまっていたわけですからもったいないことです。どれも傷だらけで、熟し具合もまちまちなため梅干しとして食べるのは難しいのですが、梅酢を確保するためであれば充分すぎる状態です。


無事漬かった梅。まん丸だった梅も、重みで変形しています。

なお私の場合は漬ける前の梅の状態によって、三つの桶にランク分けして漬けています。
一つめは良い状態の梅で、これは梅干しにします。
二つめは傷がある梅で、梅干しにした後、傷の部分を取り除き、問題ない部分だけの果肉を集めて梅肉にしてあえものなどに使うためにペースト状にします。
三つめは悪い状態の梅で、これは梅酢だけを使用し、梅自体は廃棄します。


このきれいな梅酢を大事にしまっておくのです。
梅を干す際に一度桶から出し、再度保存用の容器に移すわけですがその際に梅酢が足りなくなって梅が容器の中で梅酢にひたらないときに足したり、紫蘇の葉を塩もみして保存する際や、酢の物にも使いますのでペットボトルに移して一年間にわたって少しづつ大事に使います。


今年確保した梅酢。このうち半分くらいは来年までに使い終え、後は来年梅を漬ける際に加えて梅酢を上がりやすくするために使います。

見てわかるとおり、梅の状態と品種によって梅酢の色も大きく異なります。
左側は完熟の南高梅。
中央左は県内産の青梅、中央右は寺の青梅。
右は落ちたのを拾った寺の梅。
梅酢の味も濃さもかなり異なるので、酢の物などに使う際は食材に合わせて使い分けます。
あとはお酒が好きな方は焼酎にこの梅酢を加え、炭酸で割ると酸っぱい梅サワーが楽しめます。

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