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精進料理のダシについて 1

 『大法輪』誌の塩に関する記事批判で数回費やしてしまいましたが、今回から本題のダシについて解説していきます。

日本料理では、食材の良し悪しと同じくらい、ダシの良し悪しができあがりの味に大きく影響します。どんなに良い食材を使っても、ダシがダメだと良い料理はできません。せっかくの食材を無駄にしてしまうことになります。

どうしてダシが重要かというと、日本料理は食材本来の持ち味を引き出し、不要な味(アクなど)を取り除くのがその極意であり、そのために食材の持ち味を引き出す役割を果たす「ダシ」が重要となるのです。

ちなみに西洋料理の場合は食材の味を引き立てる別の味をソースやスパイスなどで足していく調理法が主体になるので、ダシよりもソースが重要になります。

○ポイント

日本料理→食材の持ち味を引き出す調理法が中心

→ダシが重要となる

西洋料理→食材の持ち味を引き立てる調理法が中心

→ソースが重要となる

例えば味噌汁の場合、ダシをきちんと取ったものと、そうでないものは飲めばすぐわかります。具が非常に多い場合は具から出るダシが効くので良いのですが、通常の具の量であればやはりダシが必要です。

丁寧にとったダシで作った味噌汁の場合、その分味噌や塩分を減らしてもおいしく感じますので健康にも良く、その上味が格段に良くなるのですから調理には欠かせません。

日本料理においてダシが重要だということはおわかり頂けたと思います。

さて、日本料理では、大きく分けて二通りのダシの取り方があります。

一つめは、昆布とかつお節などを組み合わせて取る方法、二つめは昆布や干椎茸などだけで取る方法です。

前者は昆布のグルタミン酸と、かつお節などのイノシン酸、すなわち「うま味成分」といわれるおいしく感じる成分が共に相乗効果を表し、よりおいしい味が生まれます。かつお節の他にもイワシ、じゃこ、マグロ節、サバ節など用途によって用いる魚を変えてダシをとります。

前者のダシの取り方は専門外ですのでこのくらいにして、当ブログでは後者の精進料理のダシの取り方を次回以降詳しく解説していきます。

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