朝日新聞連載と書籍『道元』のご紹介

朝日新聞土曜版be 「やさい流」、今月分の精進料理連載始まりました。

編集部による副題は「秋を食らう」。タイトル通り、旬を迎えつつある秋の味覚を豪快に?味わい尽くす、というような内容です。
まず先日6日には「ねばねばで疲労回復 滋養どろどろ汁」が掲載されました。
季節の変わり目は体調を崩しやすいものです。ぜひこのどろどろ汁で滋養を養い、乗り切っていただきたいと思います。
残りの連載も是非ご覧下さい。

続いてご紹介したい書籍があります。

別冊太陽 日本のこころ197
「道元」~いま、此処、このわたしを生きる~

当方の著書、『典座和尚の精進料理』を担当して下さった編集者、梅津女史が手がけた書籍です。
「今度は道元禅師の書籍を企画しているのです」と女史から聞いた際には、正直いって、道元禅師に関する本は今までに非常にたくさん刊行されているため、似かよった書籍を今さら出しても、飽きられてしまって需要は少ないのではないかなー、などと思っていました。

ところができあがった本を手に取ってビックリしました。
もちろん良い意味で、です。
突拍子もないおかしな切り口とか、奇をてらった企画とかに驚いたわけではなく、構成自体は従来の基本的な路線を踏襲しているきわめてベーシック内容なのですが、全体的に仕上がりレベルが高いのです。
たとえば従来の書籍だったら、永平寺の坐禅に関する本文の片隅に、モノクロで小さい坐禅中の写真がおまけ程度に掲載されているような感じの構成をよく見かけますが、今回の書籍はそうではなく、一つ一つの写真が厳選されており、また写真自体の大きさも非常に大きく、細部まで鮮明にわかるようなレイアウトで構成されています。そうした迫力ある貴重な写真が数多く使われており、道元禅師関係の雰囲気ある写真集としても価値が高い仕上がりになっています。
内情がわかっているだけに、これほど貴重な写真を揃えるのはさぞ大変だっただろうな・・と感心してしまいました。

もちろん本文も非常に読みやすく、道元禅師のことを一から知りたい人には大変参考になる内容です。あるいは曹洞宗のお檀家さんが、自分が檀家になっているお寺の基本を知っておくためにも最適です。この本で得た知識があれば、寺の和尚さんと同席する際に間が持たないなんてことはなくなるでしょう。逆に、なんでそんな専門的なこと知ってるの??と驚かれるかもしれません。
または、精進料理を深く学びたい人は、道元禅師の教えを理解することが欠かせません。そうした方にとっても、非常にわかりやすい内容だと思います。

保存版として手元においておきたいお薦めの一冊です。

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