朝日新聞beやさい流「精進恵方巻」

だいぶ長く続いている朝日新聞土曜版朝刊be の「やさい流」連載、この2月にも掲載されます。


第1回は2月3日、ちょうど節分にあたるため、料理は「精進恵方巻」を紹介します。

本文中、「禅では本来方角にこだわらない」というような記述があります。
誌面では文字数の制限が非常に厳しいので誤解を避けるために少しだけ補足しますと、禅宗では方角を軽視するということではありません。まあ一応お寺の本堂の向きや仏像の向きなどは基本的な方角がありますし、お檀家さんにも仏壇やお墓の向きなどの説明はしています。

ただ、そうした方角にこだわりすぎて本質を見失ってしまうくらいなら、そんなことは気にしなくて良いんですよ、という精神の自由を求めるのが禅なのです。ですからはっきりいってお寺によって建物の向きも仏像の向きもいろいろですよ。

今年の良い方向(恵方)は南南東だそうですが、良い方向を求めて一年ごとに家を建て替えるぞ!とか言いだすのはくだらないですよね?
逆に悪い方向はどっちだ!と過度に気にしすぎて、悪いとされる方向に近寄れないから学校に行かないとか、部屋の入り口が悪い方向に向いているから俺には悪いことが起きるんだ、とかいう思考に陥ってしまってはナンセンスでしょう。

そこまで考える人はいないだろう、と思うかも知れません。
しかし、結構お墓の向きや仏壇の向きを気にしてものすごく悩み、お寺に相談に来る人が意外と多いのです。
特に都会では、良い方向も何も選べない場合が多いですから、そんなことは気にしないのが一番、悩みはじめたらきりがありません。

元々仏教ではそうしたつまらんことで悩まないのが基本です。「今年の良い方向」というのが自分の生活にプラスになる範囲でたしなめば良いのです。
そもそも恵方巻き自体、その根拠も含めて異論反論さまざまですが、あまり深く考えずにおいしく楽しく季節のイベントとして気分転換程度に楽しめばそれで良いと思います。

作り方は是非2月3日の朝日新聞をご覧下さい。

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