○紅生姜の魅力と特徴
海苔巻きに添える漬物といえば紅生姜でしょう。漬物は組合わせる料理を引き立たせ、箸休めとして個々の料理の味をリセットさせる効果もあり、精進料理にとって非常に重要な意味合いを持ちます。たかが漬物、たかが紅生姜、と軽んじてはいけません。漬物をきちんと用意することが、精進料理全体の印象を左右するほど、重要な存在です。
市販の紅生姜に慣れてしまっていると、手作り紅生姜の風味の素晴らしさはまさしく別格です。爽やかな味わいは、暑い夏にこそ真価を発揮します。思ったよりも手間はかかりません。そして一度作れば日持ちもするため、常備菜として長く食卓のアクセントとして楽しむこともできます。今の季節は念のため容器ごと冷蔵庫で保存すると良いでしょう。
手作りの梅を作っている人にしてみればこの時期梅酢が手元にあるでしょう。無い方は市販の梅干しの漬けつゆを使うか、あるいは三杯酢のような甘酢を作って漬けてください。赤い色はつきませんが、白酢でも充分おいしく仕上がります。風味はやや劣りますが、食紅を合わせ酢にほんの少し溶き混ぜて紅くすることもできます。
この手作り紅生姜を細長く刻んで、みょうがや胡瓜などとあえれば、暑い時期によくあう紅生姜あえをササッと作ることができ重宝します。
○紅生姜の調理手順とレシピ
1 新生姜300g(二塊ほど)の皮をタワシでよくこすり、きれいにします。特に写真のような汚れのある部分や、厚くなっている部分を集中的にこすります。
2 皮ごとなるべく薄く切ります。スライサーで薄くしても良いでしょう。
3 多めの水に浸け、かるくもんでえぐみを出します。ザルにあげ、水気をよく切ります。天気がよければ、広げて陽に当てて乾かすと食感がよくなります。時間が無い場合はペーパーやタオルで水気を吸います。
4 塩小さじ1強をふりまぶし、全体に行き渡るように揉み混ぜ、1時間ほど放置します。
5 塩がなじむと、柔らかくなります。手に取ってまだ堅いようなら塩を少し足してもみ、さらに10分ほどおきます。
6 ビンやタッパなどに移します。
7 梅干しを漬けた赤梅酢を容器に浸し、軽く振ってから3時間以上おいて色を染みこませます。