保存版 手作りぼたもちの作り方_精進スイーツ

ではさっそく手作りぼたもちの手順とレシピを詳しく解説していきます。

・小豆250g ・グラニュー糖 180g ・もち米 2合 ・塩小さじ1程度

今回の分量では、コンビニのおにぎり程度のボリュームとなる大サイズのぼたもちが6個できあがります。ちょっと上品に、小ぶりな大きさにすれば10個できあがります。この半分の分量でも、小型の鍋を使えば作ることができます。

《《 手作りぼたもちの調理手順とレシピ 》》

1 もち米2合を多めの水で研ぎます。

普段料理をしない方のために念のため補足ですが、もち米はいわゆる普段ご飯を炊く時に使う、うるち米とは品種が異なります。「もち米」は見た目としては少し白っぽく、透明感がないのが特徴で、歯ごたえは粘り気が強く、甘みがあり腹持ちも良くて、赤飯やおこわなどに使われます。「もち米」と書かれたものをご用意下さい。

手作りぼたもち手順

手作りぼたもち手順

とぎ汁は普通のお米ほどぬかで白っぽく濁りません。崩れやすいので、あまりゴシゴシしっかりと研がずに、サッと丁寧に研いで洗い流します。

手作りぼたもち手順

このように普通のお米と違って、真っ白な粒です。

手作りぼたもち手順

研いだら水を切り、20分ほどおいてしっかり吸水させます。

手作りぼたもち手順

炊飯器にセットし、2合分の水加減をして、塩小さじ1/2ほどを加えて炊飯します。

手作りぼたもち手順

2 小豆250gを軽くすすいでボールに入れ、浮かんできたものの中からスカスカなものや虫食いなどの悪い粒があれば取り除きます。

手作りぼたもち手順

よくすすいで、圧力鍋に入れ、八~十倍ほどの体積の水を入れます。このときの水の分量はあまり厳密でなくてかまいません。

手作りぼたもち手順

圧力鍋はパッキンゴムをしっかり取付け、フタをキッチリ閉めてから火にかけます。規定上限値の分量よりも八割以内におさめないと蒸気抜きから内容物が漏れてしまいますのでご注意下さい。

手作りぼたもち手順

3 火にかけます。はじめは強火で、沸騰して圧力抜きの穴から蒸気が漏れ出したらごくごく弱火に落とし、20~30分ほど加熱します。

手作りぼたもち手順

4 火を止めたら3時間以上おき、鍋の温度が自然に下がり、鍋を手で触っても熱くないくらいになったら鍋のフタをあけます。まだ熱いうちは鍋内部の圧力が高いため、無理にあけてはいけません。

なお圧力鍋がない場合は、小豆を水に浸けて一晩おいて戻してから、普通の鍋で長時間コトコト炊いて柔らかく煮ることになります。今回は誰もが簡単にできる圧力鍋を使用する手順をお薦め致します。

手作りぼたもち手順

5 圧力鍋の中から小豆を出して、ザルにあげて水でサッとすすぎます。これは小豆のアクを取り除くためです。せっかく煮た豆を水ですすぐというのは慣れないと少し違和感があるかもしれませんが、まだ味をつけていないことと、このままの小豆を口にするとえぐみがあるために行う手順です。

今回はぼたもちなのでつぶあんを作ります。あまり雑に扱うと粒がバラバラになってしまうため、丁寧に作業を行います。このくらいの加熱で、粒が半分くらい残る感じの柔らかさです。粒をしっかりたくさん残したい場合は圧力鍋の加熱を半分~1/3程度に減らすと良いでしょう。

圧力鍋を使うと、どうしても一部の小豆が煮崩れてしまうのですが、ぼたもちを作るには煮豆と違って、それほど煮崩れを気にする必要はありません。豆の形がなくなるほど柔らかく潰れた部分と、豆の形が残る部分が良い感じでミックスされて仕上がれば良いのです。豆の粒が完全に残ってぼたもちの周囲を取り囲む、という仕上げははじめから目指しません。そのため豆が鍋の中である程度つぶれてしまっても問題ないのです。もし豆の形をなるべく多く残したい場合は、圧力鍋で加熱する時間をかなり短めにするか、あるいは状態が見える手鍋で煮ることになります。

手作りぼたもち手順

6 鍋に移して、水を1L位加えます。銅鍋の方が伝熱性がよく、また色よく仕上がるためお薦めですが普通の鍋でもかまいません。

手作りぼたもち手順

強火で加熱し、沸騰したら2分ほどそのまま煮立たせます。このとき出てくる泡も、アクです。これを取り除くための2分間の沸騰です。

手作りぼたもち手順

7 2分沸騰させたら再度ザルにあげて水ですすぎ、アクを洗い流します。

8 ザルにもめんのふきんを広げて、その上にすすいだ小豆を入れ、丸めて軽く絞って水気を切ります。小豆がぐちゃぐちゃになってしまわないよう気を付けて丁寧に絞ります。

手作りぼたもち手順

手作りぼたもち手順

9 水気を切ったら鍋に移します。

手作りぼたもち手順

手作りぼたもち手順

10 グラニュー糖180gほどを計量して、加熱しながら加えます。

繊細なグラニュー糖が最も上手に仕上がります。普通の上白糖でもできないことはないのですが、せっかくなので初めての方はグラニュー糖をお薦めします。なお甘さ控えめの方は150gくらい、甘党は200gくらいまで増減してください。

手作りぼたもち手順

手作りぼたもち手順

加熱しながら木へらで焦げないように手早く混ぜ合わせます。

見てわかるとおり、この段階では豆に水分はほとんどなく、パサパサした感じです。

手作りぼたもち手順

手作りぼたもち手順

上の画像と比べるとよくわかりますが、はじめはパサパサしていた小豆が、混ぜたグラニュー糖が過熱されて溶けてくると、再びドロドロ状態になります。このドロドロ状態になったら中火に落として、そこから3~5分ほど、焦げないようによく混ぜながら練ります。この練る過程で不要な水分が飛び、ちょうどよい粘度に仕上がります。

手作りぼたもち手順

手作りぼたもち手順

11 途中で塩小さじ1/2を加えます。甘みを引き立てるために逆の塩気を加えるのです。ただこれは好みがわかれますので、舌センサーが敏感な方は塩を加えない方が良い場合もあります。私の場合は塩小さじ1/2加えたら、塩の味が明らかにわかってしまう感じです。

手作りぼたもち手順

このように、あんこがベトベト、ボットリした感じになってきたら火を止めます。冷めるとさらに糖分が固まって、堅めになってきますので、少し緩いくらいの方が丸めやすいです。

手作りぼたもち手順

12 パットなどに1/6に小分けして冷まします。小ぶりに仕上げるなら10個に小分けします。

手作りぼたもち手順

なおここまでの手順は、非常に簡単で手間もそれほどかかりませんが、面倒な方は仕上がった状態のあんこを使う手もあります。その場合、缶のあんこは水分が多くて柔らかく、そのままでは使いにくいので、袋入りの堅めの物を選びます。

手作りぼたもち手順

13 炊き上がり、蒸らしたもち米をバットにあげてほぐします。

手作りぼたもち手順

普通のお米よりも粘度が強いため、あまりこねるとネバネバしてしまうのでササッとほぐします。

14 なお、このとき、もち米をすりこぎ棒の先でつついて潰す場合と、潰さないでそのままにする場合と、どちらでもお好みで調整します。完全に米の形がなくなるまでつぶすならボールかすり鉢などに入れてつつくと良いでしょう。

もち米をつぶすと、いわゆるお餅状態になります。杵と臼でペッタンペッタンと餅搗きをするのは、もち米を潰しているわけです。「ぼたもち」というくらいですから、つぶして餅状にするのが本来なのでしょう。

俗に、完全に潰すのを「全殺し」半分くらい潰すのを「半殺し」と呼んだりします。泥棒が老夫婦の家の下見に来て、屋外から室内の会話を盗みしたところ、老父夫が「半殺しでいいか、いや全殺しにしてしまうか・・ヒッヒッヒ、楽しみじゃ~」と話しているのを聞いて、なんと恐ろしい家だと慌てて逃げ帰ったという笑い話があるくらいです。それで仏さまにお供えする場合は不殺生戒(ふせっしょうかい・仏教の戒律)「殺さない」=潰さずにお米のまま、という言い伝えがあるので今回はもち米を潰さずに進めます。モッチリした食感がお好みならこの段階で熱いうちに潰して餅状にします。

手作りぼたもち手順

15 ざっと1/6(または1/10)に小分けして冷まします。

手作りぼたもち手順

手作りぼたもち手順

16 ここから成形作業に入ります。慣れた人なら、普通にもち米を丸めて、その周りにあんこを巻いて包むようにして仕上げるのですが、これが初めての人はなかなかうまくいかないものです。

修行道場でもお彼岸には手作りのぼたもちを典座寮(台所係)が用意するのですが、私が料理長を務めていた時、台所係の修行僧に説明しても、やはりそんなにすぐにキレイに仕上げることができる器用な者は稀でした。そのため想像を絶するような見栄えの悪いできのぼたもちが仕上がってしまい、高僧からお叱りを受けたこともありました。

そこでなんとか私が考え出した方法を今回ご紹介します。この方法なら、はじめて作る人でもキレイに仕上げることができます。この方法を考案してからは、高僧に叱られることもなくなり、はじめての修行僧でも良い感じの安定した仕上げができるようになりました。精進料理教室でおはぎを作る時もこの方法です。学校が休みの今、お子さんに手伝ってもらうにも最適の方法だと思います。是非ご家族で楽しんで作ってみて下さい。もちろん、経験者はこの方法ではなく、ふつうに手で丸めて下さい。

まずは調理台にラップを敷き、その上に1/6に分けたもち米を載せ、ラップでくるむようにして丸めます。おにぎりを握るような感じで両手でコネコネして、しっかりと成形します。これがラップなしだとお米が指についたり、粘り気でおかしな形になったりするのです。ラップがあると非常に簡単に調えることができます。あまり緩く握ったのでは、あんこを付ける際や食べる際にほぐれてしまうので、お寿司を握るのとは違って強めにしっかりと握るようにします。

手作りぼたもち手順

手作りぼたもち手順

6個分成形します。

手作りぼたもち手順

17 次にあんこです。調理台の上にラップを敷き、その上にあんこを広げ、さらにその上にもう一枚別のラップを重ねます。このとき後で剥がしやすいように、1枚目のラップと2枚目のラップをあまり密着させず、わざとズラして隙間やしわを作っておきます。

手作りぼたもち手順

その2枚目のラップの上からすりこぎ棒など太い棒を転がして、均等にあんこを伸ばします。これがこの方法のキモで、これによりあんこを均一に薄ーくすることができます。あんこをもち米のまわりに薄くセットするのが、慣れていない人にとって一番難しいのです。フチのあたりは棒を操作してなるべくギザギザせず丸っぽい形になるように努めます。

手作りぼたもち手順

18 2枚目のラップを剥がして、あんこの上に直接もち米を載せます。剥がしたラップは何度か使い回すこともできますので広げたままどかします。

手作りぼたもち手順

19 1枚目のラップをつまんで、あんこシートが破れないように気を付けながらもち米をくるむようにしていきます。最後の部分あたりはラップの上から、同じくおにぎりを握るような感じでつなぎ目をなくすようにして成形します。これもまたラップがあると、初心者でも指に張り付いたりせず、ロスも出にくく非常にキレイに調えることができます。

複数人で作る場合は、もち米を丸める人、あんこを伸ばす人、あんこを包む人、と役割を分担した方が能率としては高くなります。まあ全行程を一人で受け持った方が愛着は湧くと思いますが。

手作りぼたもち手順

手作りぼたもち手順

地のもち米が飛び出ないように、全体を覆うようにしてうまく丸まったらラップを取り除きます。なお遠方のお墓までお弁当のように持ち運ぶ場合や、すぐに頂かずに多めに作って冷凍する場合などはこのままラップしたままで完成です。

手作りぼたもち手順

この粒粒の残った具合が、こしあんとは違って歯ごたえ・食感が良いのです。また見栄えがボッテリしているのも素朴な素人仕上げの雰囲気が良く出ていて魅力的だと思います。是非このお彼岸には手作りのぼたもちをお供えして下さい。

ぼたもち

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