公益財団法人 国際茶道文化協会 様から依頼を受け、講座の講師をつとめて参りました。
青山グリーンアカデミー第74期 茶の湯文化学 饗応の文化 全5回のうちの第2講が私の担当でした。
他にも 日本文化と食の源流、茶懐石、本膳料理、有職料理・京料理の心と味・生間流式包丁など、要するに日本料理の専門家によって、「饗応」つまり「もてなし」についての講演を行うというものです。
私は「精進料理のもてなしとは」どういうものなのか、不足中の充足、制限中の自由について、お話ししました。今回の会場はプロジェクター資料が利用できる環境だったため、具体的な料理写真等を投影しながらリアリティあるお話しができたように思います。
精進料理のもてなしとは、結論をいえば、豪華な料理や品数の多さを求めるのではなく、たとえ質素でわずかな料理であっても、自分で細やかなところまで気を配って、心をこめて作り、もてなしこと、これに限ると思います。聴講者のほとんどが茶道に関わる方でしたが、茶道とも相通じる考えかたではないでしょうか。
2時間途中休憩無しという長丁場でしたが、皆さん大変熱心に聴いて下さいました。今回は一つの話題をじっくりと話すスタイルではなく、広範囲な内容を浅くお伝えする概論スタイルだったため、進行が早くてメモを取る方は大変だったことと思います。しかし聴衆の熱意に支えられて、良き講演ができたと思っております。支えて下さった主催者様・事務方御一同様に深く感謝申し上げます。
裏千家東京茶道会館は非常に素晴らしい施設でした。土曜日ということもあり1~3階ではお茶のお稽古やイベント等が行われており、和服姿の方がたくさんおられました。
道路を挟んで向かいは裏千家様の建物でした。さすがの風格です。
定員いっぱいの満席状態でした。誠にありがたいことです。
明年は東京オリンピックで、和の「おもてなし」が注目されることと思います。私もあらためて精進料理と禅のもてなしとは何か、参究を続けたいと思います。
ご聴講下さった皆様に感謝申し上げます。