○精進味噌チンジャオの魅力と特徴
暑い時期になると油を使った天ぷらやフライなどの揚げ物は作りたくなくなりますね。これは料理をする側の気持ちとしてはごく当然でしょう。しかし逆に食べる側の気持ちとしては油を使ったこってり料理を欲するのもまた暑い時期の特徴です。
そこで、天ぷらやフライなどの揚げ物は避けるにしても、油で炒めた炒めものならばそれほど料理中の暑さに苦しむこともなく、油料理を作ることができておすすめです。
お盆の時期のお供え膳にも、炒めものを一品加えてみるのも献立全体に変化がついてよいものです。
今回紹介する中国料理、チンジャオロースは漢字で書くと「青椒肉絲」です。チンジャオは漢字で「青椒」と書き、辛くない唐辛子、つまりピーマンや獅子唐、パプリカなどを意味します。スーは「絲」つまり細切りのことです。そして肉は本場では豚肉、日本では牛肉を使う場合もありますが、今回は精進料理にアレンジして糸コンニャクまたはつきコンニャクを使用して肉の食感に似せます。
本場中国では、ラオチュウと塩で味付けするようですが、先日紹介したみょうがの味噌漬けに使った漬け込み用の味噌を利用して味噌味にしてみました。
この料理のコツとポイントは、細切りにした野菜の食感と色を失わない程度に加熱することです。つまりシャキッとした風味は残した範囲で手早く調理する必要があります。炒めすぎてグッシャリとしてしまわないように気を付けます。
みその味を全体に染みさせるまで加熱すると炒めすぎになってしまいやすいため、片栗粉でとろみをつけて全体にからめる方法をとります。もやし、パプリカ、ピーマンは加熱の最後に加えてそこからは10~30秒ほどにおさえてすぐに味付けととろみつけの行程にうつります。まだもやしなどが生っぽくても心配要りません、味付けとトロみつけの行程のうち、また余熱もあるために充分火が通ります。なによりも炒めすぎにご注意いただき、ピーマンが良い色合いのままに盛り付けるようにしてみて下さい。
○精進味噌チンジャオのレシピと調理手順
1 干し椎茸3枚を120mlのお湯に3時間以上浸けて戻します。
2 ピーマン100gの種とヘタをとり、細切りにします。
3 人参50gを薄切りにした後寝かせてさらに切って細切りにします。
4 パプリカ100gを1のピーマンと同様に細切りにします。赤パプリカ、黄パプリカ、オレンジパプリカなどがありますが、他の食材との色合いを考えて使うパプリカを決めると良いでしょう。
5 糸コンニャク(つきこんにゃく)150gを3~5㎝ほどに切ります。
6 1でとったダシがらの椎茸3枚を細切りにします。
7 今回は細切りタケノコを加えました。時期的には旬では無いですし、なくてもかまいませんが、チンジャオロースの食感と雰囲気を出すには加えた方がよい具材です。丸ごと筍の形をしたものよりも安価で手軽なので、はじめから細切りにした水煮パックをおすすめします。
8 もやし100gを洗っておきます。
9 1の椎茸ダシに酒大さじ2、みりん大さじ1を加えます。
10 数日前に紹介したみょうがの味噌漬けでみょうがを漬け込んだ味噌を再利用します。(味噌漬けを作っていない方は普通の味噌をお使い下さい。なるべく塩気が少ない甘めの味噌をお薦めします)
味噌大さじ2~3を9に移し、良く溶き混ぜておきます。
味を見て砂糖小さじ2~3を加えます。味噌がしょっぱいようなら砂糖の量を増やします。
11 フライパンに油小さじ2を敷いて加熱し、のばします。
12 はじめに5の糸コンニャクと6の椎茸を炒めます。
13 コンニャクと椎茸に油が良く回ったら、3の人参、7のタケノコを加えてさらに炒めます。
14 水大さじ2に片栗粉大さじ1強を入れてよく混ぜておきます。
15 具に火がある程度通ったら、2のピーマンと4のパプリカ、8のもやしを加えます。ここから先はあまり加熱しすぎると、色と食感が悪くなってしまうため手早く進めます。
16 10の味噌ダレを加えて全体によく行き渡らせるようにサッと混ぜ炒めます。
17 火加減は強いままで14の片栗粉を少しずつ溶き加えて手早く混ぜます。
鍋に触れている側と表側を手早くひっくり返すような感じでとろみをからめていきます。