栄養たっぷり、わらびのとろろ

昨日はわらびのあく抜きを紹介しましたが、わらびは長芋をすりおろしたとろろとよく合います。


味噌汁で組合わせた里芋もそうですが、ぬめりがある食材同士なので相性が良いのです。

夏を前に暑くなり、食欲が落ちているこの時期、滋養あるとろろわらびをチュルチュルとすすって暑さを乗り越えるパワーをつけましょう。

1 あくぬき処理したわらび100gを食べやすい長さに切る。
2 長芋200gの皮をむき、すりおろす。
3 小鍋に昆布だし大さじ3,酒大さじ2,みりん大さじ1,薄口しょうゆ小さじ1
をひと煮立ちさせ、2のとろろによく混ぜ、味を見て塩少々を加える。
4 3と1を混ぜて盛り付け、刻み海苔適量を盛り付ける

ところで一時期「わらびを食べ過ぎるとガンになる」と騒がれたことがありました。
それを聞いてわらびが悪者になったことがあり、今でもそれを信じてわらびを敬遠する人もいるようです。

確かに野生のワラビには発がん性物質が含まれています。
しかし灰や重曹を加えて熱湯であく抜きすることで発がん物質が無くなることが科学的に立証されています。つまり生のままで食べない限りは問題ないのです。

もう少し詳しく書くと、わらびには「プタキロサイド」という発がん性物質が含まれているそうで、加熱したり弱アルカリ性にすると「ジェノン」という物質に変化するのだとか。
これがDNA中のグアニンと結合するとDNAが突然変異を起こしてがん細胞が生まれやすくなるというしくみなのだそうです。
ただし、ジェノンは水ですすぐと「プテロシン」という物質になり、そうすればグアニンとは結合しなくなるのでがん細胞は発生しなくなるのです。

昨日のあく抜きの手順にあてはめると、

わらびに含まれる「プタキロサイド」があく抜きすることで「ジェノン」に変化
→もしこの時点で食べるとジェノンがDNA中のグアニンと結合してガンの原因になる
→水ですすぎ、洗い流して水にひたすことでジェノンは「プテロシン」となり、
DNAのグアニンに影響を与えなくなるため無害化

という流れになるわけですね。
そんなこと全くあずかり知らない昔の人が、ちゃんとこうして安全なあく抜き方法を編み出してきたことは驚きです。
要するにちゃんとあく抜きして食べればガンの心配はないということなのであまり心配しすぎないようにして欲しいです。

ちなみに、ワラビに限らず、日常なじみ深いキャベツやセロリ、黒胡椒などにも発がん性物質は含まれていることがわかっています。
もし特定の食材だけに片寄ってものすごくたくさんの量を続けて食べれば発癌の危険はあるかもしれませんが、日常口にするおかず程度の常識的な量を食べる分にはガンの心配は不要だと理解していいようなのです。
そもそも、ワラビだけを山盛り毎食食べていたらガンになる前に栄養の偏りで病気になりますよ。
結局は、いろいろな食材をバランス良く食べることが大切になるわけです。

それでも心配な方はワラビを食べなければ良い、それだけのことです。
まあこの時期にしか味わえないほんのちょっとのワラビですから、今年も私はおいしくありがたく頂いています。

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