寺族さん向けの精進料理研修を行いました

教区長の寺

千葉県の曹洞宗寺院から依頼を受け、精進料理研修の講師をつとめました。

依頼主は千葉県の教区長老師です。主に教区内寺院の寺族さんや役員さん、若手僧侶を対象として、馴染み深い精進料理と供養の心について学ぶ場を設けたいとの主旨でした。

ふだんお寺では寺族さんが精進料理を担当することが多いと思いますが、寺族さん自身が永平寺や總持寺など本場の精進料理がどう作られているかを知る機会というのはあまりない思います。自己流の精進料理と、ご本山などの修行道場での精進料理とではどう調理法が違うのだろう、という御興味をもっておられる方も多いことでしょう。

曹洞宗千葉県教区精進料理研修

千葉県は群馬とは同じ関東ですが、さすがに当日では無理なので前晩からの現地入りとなりました。外環道よりもさらに外側に環状高速道路ができたため時間的には非常に短縮されましたが、私のナビには入っていないためアナログな印刷地図をみながらの運転でした。道筋自体は迷うことなくスムーズに進むことができましたが、高速道路にPAがほとんどなく、トイレに困りました。もし数少ないPAを逃してしまうとまずいと思います。

曹洞宗千葉県教区精進料理研修

高速道路の入り口に初めて見た掲示、「幅広」。

おそらく大型トレーラーやバスなどの大型車が通りやすいような配慮なのだと思いますが・・・ここにだけ設置してあっても意味が薄いような気がしますが。記念に幅広レーンを通ろうかと思いましたがETCレーンではなかったので通行しませんでした。幅広の車はほぼ業務用でしょうから、ETC側を幅広にした方が良いような???何か私が思いつかないような地元ならではの理由があるのかもしれません。

幅広?

無事お寺に到着して教区長老師に挨拶し、会場準備を調えて近くで一泊しました。翌朝の日の出、山間部のうちでは見ることができない、広ーい地平線から見事に登ってくる美しいお日さまを拝むことができました。すごいぞ千葉県の大自然。感激しました。(夕日ではなく朝陽ですよ!)

千葉の日の出

教区長老師のお寺は小高い丘の上にある立派な伽藍でした。ものすごく良い秋晴の中でしたが、残念なことに教区内で急なできごとがあったようで、当日急に来れなくなった参加者が多く、少人数での実施となってしまいました。

曹洞宗千葉県教区精進料理研修

広くて立派な台所をお借りして、さっそく精進料理を作ります。皆さん普段精進料理には慣れている方ばかりですが、本山の作り方となるとまた勝手が違う部分もあったようで、一つ一つ説明しながら調理を進めました。

曹洞宗千葉県教区精進料理研修

和気藹々の雰囲気の中にも、緊張感が漂います。食材はすでに用意してあったため、準備段階での人数分を調理し、欠席者の分は余ってしまうため参加者がお土産として持ち帰ることにしました。そのため、けっこうな量の調理となりますが皆さん手際よく、きっちり時間内に調理を終えることができました。

曹洞宗千葉県教区精進料理研修

料理ができあがると、まずは本堂でお供えの儀式を行います。

ただ単に自分が食べるための料理ではなく、仏さまにお供えすることの大切さを実体験するには欠かせない儀式です。さすが教区長老師のお寺、たいへん立派な、朱漆塗唐草紋様のお供え膳に、皆で心を込めて作った一汁三菜の精進料理を盛り付けました。

精進料理献膳

教区長老師が導師となり、献膳の法要を行い、参加者一同ともに礼拝を行じます。知識としてだけでなく、実際に自らが作った料理をお供えし、ご本尊さまの前で読経しながら焼香する儀式に感激なさっていました。

精進料理お供えの儀式

その後皆で五観の偈をお唱えし、料理をいただきました。この料理はどうやって作るんだっけか、これはうちと違う方法ですね・・などと話題はつきません。特に、はじめて胡麻豆腐を手作りしたという寺族さんが多く、自分のお寺での坐禅会などで今度出してみようかな、という前向きな声も出ていました。

講義を聴くだけの研修だけでなく、こうした実践的な研修は大変有意義だと思います。手間や経費はかかりますが、それ以上の効果があると思います。教区長老師の想いに敬意を表し、お世話になった皆様方に感謝申し上げます。

五観の偈を唱えて試食

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