暑い夏にピッタリの、食欲を誘う「ゆかりご飯」です。
「ゆかり」という言葉は某食品会社の赤しそを使ったふりかけの商標登録名です。つまり同様のふりかけに許可無く同じ名前を使ってはいけません。ただ「ゆかり」といえばだいたい料理好きには通じるほど有名だと思います。
さらにいえば「ゆかり」は「縁」と漢字で書くことができます。
「縁もゆかりも無い」という言葉があるように、仏教で重視する「縁」につながる料理名ということで、ふるくから献立帳などでもよく使われます。
まあ商標を侵害するかどうかは法律家でないのでよくわかりませんが、ともかく精進料理では「梅干し」と、梅干しに色をつけるために使った「赤しそ」を同時に使うご飯なのでそのご縁を「ゆかり」という仏教語で表して「ゆかりご飯」と呼ぶわけです。
法律の専門家ではないのでよくわかりませんが、類似するふりかけ製品を「ゆかり」と名付けるのはいけないとしても、それを使ったご飯を「ゆかりご飯」と呼ぶのは問題ないように思うのですが、もしダメだとしたら「梅しそ粉まぶしごはん」と呼べば通じますね。(長っ)
献立名もいろいろと気を付けて使わないといけません。
梅干しを漬ける際に使った色つけのための赤紫蘇をザルにあげて天日で干します。
紫蘇を一枚一枚葉の形に広げて干す人もいますが、この時期の日差しは強いため、無理して広げなくてもある程度ほぐすくらいで大丈夫です。ヘタにいじると破けてしまいます。
直射日光で一日干せばすっかりパリパリに乾きます。
冬場など日差しが弱い時期にはしその葉をきれいに広げて、二日ほど干す必要があります。
そのためこの時期にまとめて干して保存しておくと効率的です。
なお私は梅の瓶に入れた紫蘇は一年そのまま漬けておき、翌年梅はそのままにして紫蘇だけを瓶から取り出します。一年以上漬けておくと紫蘇が変質してくるからです。
瓶ごとに紫蘇の量や塩気が違うため、干した紫蘇の色合いもまちまちです。
完全に乾いた紫蘇をフードミルで撹拌して粉末状にします。
きれいな粉になりました。ものすごく良い香りがふわっと漂います。
少量なら、この時点で塩を混ぜて仕上げてしまっても良いです。私の場合は、使う料理によって混ぜる塩の量を変えたいのでこのまま保存し、使う時に必要な塩を混ぜるようにしています。
香りを失わないように、瓶に入れて冷蔵庫で保存します。
今回干したシソは、左の瓶に入れた方は紫っぽい色合いで、右の方は赤味が濃い色合いでした。
味も微妙に塩加減が違うのでうまく使い分けます。今回は右の方を使いました。
炊きたてのご飯を熱いままボールに移し、ゆかり粉をまぶして塩をふり、しゃもじで米をつぶさないようにしてよく混ぜほぐします。
一度作っておけば好きな時にサッと混ぜて使えるため、忙しくてちょっとおかずの品数が少ない時や、お弁当のご飯にまぶすなど手軽でおいしくて大変便利です。少し濃い目に混ぜておにぎりにするのもおすすめです。