◇うどの漬物3種の個性を楽しむ
春彼岸お供え精進料理膳の要、漬物は「うどの漬物3種」です。うどを漬物にすることは珍しいと思いますが、春の香りをとじこめた上品な漬物が出来上がります。
今回は3種の漬け方を同時にご紹介します。同じうどですが、全く異なる個性的な3種の風味に仕上がります。今回の春彼岸のお供え膳に3種類全てを盛る必要はありませんが、せっかくの機会なので3種類のバリエーションを憶えておき、これからうどの値段が手頃になってきますので、折を見て好みの味を楽しんでください。
なお今回は上の写真で手前から
うどの甘酢漬
うどの梅酢漬
うどの塩麹漬
の3種です。
◇うどの漬物3種の下処理手順
下処理の仕方は3種とも共通です。
1 うどを良く洗い、ゴミや汚れ、腐り始めた部分などを取り除き、水気をしっかり拭き取ります。
2 うどの細い部分は、皮が柔らかければそのまま3~4センチほどに切ります。中途半端に太い部分は縦に半分に切ります。皮が堅ければよけておきます。
3 太い部分は3~4センチほどに切ります。
かつらむきにし、皮と身と分けます。
4 身の部分は太ければ縦に1/2または1/4に切り、寝かせて短冊切りにします。または用途によって小さめの乱切りにします。
5 剝いた皮の部分は、細切りにします。堅さに応じて、堅いほど細く切ります。
6 2でよけておいた硬い皮の穂先部分があれば、皮ごと薄く切ります。
7 切ったうどをほっておくとアクがまわって色が悪くなってしまいます。空気に触れないよう、水に浸けておくだけでも効果がありますが、水400mlに片栗粉を小さじ1ほど加えると片栗粉がアクを吸着してくれてアクを良く抜くことができます。また同時にうどの白色を強調することもできます。
なお酢水に浸ける方法もありますが、うどに酢の味がついてしまうため、酢系の味に仕上げるのでない場合は酢よりも片栗粉がおすすめです。
片栗粉を溶いた水に浸けておくと、わずか数分で透明な水がどす黒く濁ってきます。これがうどからでたアク成分です。
底に沈んだ片栗粉をざっくり残すように水を取り替え、きれいな水に浸けておきます。アクが多い場合や、量が多い場合はもう一度取り替えると良いでしょう。
ここまでがうどの漬物の下処理です。漬け込み方法は明日紹介します。