◇「さつまいもの白あえ」の概要とポイント
さつまいもの魅力の一つは、やはりゴロッと大きめに切った大ぶりな乱切りを口にした際、ホロリと崩れるような柔らかさと適度な噛みごたえにあると思います。それを最大限に活かすために、さつまいもを蒸すことで煮崩れることなく形状を保ったままでほどよい柔らかさを得た上で、さらになめらかな豆腐地をまとわせた白あえにしました。
この場合、白あえの豆腐にはあまり砂糖を加えず、豆腐のざっくりした味わいのままの方がサツマイモの自然な甘みを引き出すことができます。
蒸すと煮崩れしにくく、またサツマイモの味が煮汁にしみ出てしまうことを防ぐことができますが、その反面、サツマイモ自体の味があまり濃くないものを使う場合には不利な調理方法となります。古いサツマイモや、未熟気味で味があまりない場合は煮物として作った、味を充分染みさせたサツマイモの煮物を流用して白あえにすると良いでしょう。もちろん、煮物の残りがちょうどある場合はそれを有効利用すればよいことはいうまでもありません。
重しを長時間掛けて豆腐の水気をしっかり切った方が、豆腐の風味が濃くなって濃厚な白あえとなりますが、今回の白あえの場合は、好みによっては豆腐の水気が少し残るくらいの状態でほぐし、緩めに仕上げても良いでしょう。硬めの仕上げの白あえと、少しトロッとした白あえの両方試して見るのも良いと思います。
◇「サツマイモの白あえ」のレシピと調理手順
1 豆腐150gをふきんで包み、5倍ほどの重しを3時間以上かけて水気を抜きます。(好みによっては、水気をあまり抜かなくても仕上げることができます。その場合は味の濃い豆腐を用いると良いでしょう)
2 豆腐をすり鉢に入れ、握ってしっかりつぶします。
3 砂糖小さじ1、みりん大さじ1、しょうゆ小さじ1を小鍋でひと煮立ちさせ、すり鉢に加えて良くすりまぜます。味を見て、薄いようなら塩少々を足して調整します。
4 さつまいも300gを乱切りにして火が通るまで蒸します。
5 自然に冷まし、あら熱がとれたら、崩れないように注意しながら3とよくあえ混ぜます。
6 好みで細きりにした柚子皮適量を散らします。