浅草寺参拝 六千日功徳の御茶湯をいただく

有道会東京大会で浅草へ行った帰りに、会場すぐ脇の浅草寺をお参りしました。

今まで何度か参拝したことがありますがいずれも団体行動だったため、一人でゆっくり観て回ることができませんでした。せっかくなのでこの機会にじっくりお参りです。

まずは大会終了後、その足で夜の浅草寺へ。当然ながら諸堂は閉門されていますが、ライトアップされた美しい伽藍が楽しめます。この時間は昼間と違って比較的すいており、掲示などをゆっくり読むことができました。

浅草寺参拝 御茶湯月参講

この美しさは・・・外国人旅行者にとっても最高ですね。和の美しさに目が奪われます。浅草寺参拝 御茶湯月参講

浅草寺参拝 御茶湯月参講

浅草寺は1400年!の歴史を持つ観音様の霊場です。飛鳥時代にある漁師が投網で魚をとっていると不思議な仏像が網にかかりました。漁師はそれが仏像だとわからず網から外して水中に戻し再び漁をするもまったく魚は捕れず、それどころかなぜか何度もこの仏像が網にかかったため持ち帰ったところ、土地の長老が、これはありがたい背負う観世音菩薩さまだとして堂を祀ったのがはじまりだそうです。

その後長い歴史伝承の中で火災や戦禍による苦難を経て、現在は聖觀音宗の本山として年間3000万人の参拝者が訪れる都内最古の寺となりました。お寺の裏手側を通ってみると浅草寺病院という近代的な建物がありました。社会貢献の一環としてお寺で運営しているとのことでした。

浅草寺参拝 御茶湯月参講

夏に増上寺の朝の勤行をお参りしたのに続き、浅草寺の朝のおつとめに是非とも参加しようと思いまして翌朝ふたたび浅草寺へ。

事前情報では季節により開門時間が異なるとのことで、不確定だったため早めに行ったところちょっと早すぎたため川べりを散策して日の出を拝みます。いつも見ている山の中の日の出とはまた趣が違った綺麗な朝焼けに心が洗われるようです。

浅草寺参拝 御茶湯月参講

観音堂の重厚でどでかい正面扉前に並びます。他にも何人かの方が並んでいるのでここで待つことは間違いないのですが時間が迫ってもなかなか開きません。少し不安になりながら待っていると、後からきた常連さんらしき方々がどんどん前に割り込んできます。まあ経験上こういうところでは常連さんに従った方が良いのでおとなしく後ろにつくことにしました。

浅草寺参拝 御茶湯月参講

本当に時間ちょうど、堂内で太鼓だったか鐘だったか、なにか法具の音がしたと同時に、制服を着た守衛さんが大扉を開けました。法要開始時間の前に中に入ることができる寺もありますが、浅草寺の場合は開始時間すなわち開門時間のようです。常連さん達のあとをついて右の方に進み、受付にいた方に参列していいか確認してから私も靴を脱いで座敷に上がり、隅っこの一番後ろに座ることができました。

浅草寺参拝 御茶湯月参講

導師が中央の高座に座り、両脇に2名ずつの僧が本尊さま側を向いて座ります。ころもの色には規則性はなさそうで、曹洞宗だと導師格が着用する赤い衣を着た僧が右の端におられるのも不思議でしたが、勤行後に他の僧が引き上げた後、赤い衣の僧は残って右奥で護摩行をはじめたのでおそらくはそのための法衣なのだと思います。

堂内には信者からのたくさんの生花や供物が供えられていました。荘厳もそうですが、堂内のお供物の内容も曹洞宗とは違って勉強になります。観音様が御本尊さまだけあって、祈願主からの花やお供物が多い印象でした。

はじめに声明のように節がついた仏名などを約15分ほど唱え、続いて観音経を読みました。観音経は曹洞宗とほぼ同じだったので一緒に読みましたがその速さに驚きました。曹洞宗の朝の勤行の観音経の1.3倍くらい?早い感じでしたが、常連の信者さん達もちゃんと経本持参で同じ速さでついてきていたのはさすがです。中には暗記していて経本無しの強者もいました。40分きちんと正座して僧侶と同じく読経する常連さん、さすが浅草寺だなあと感銘しました。共通したお経があると一緒に参加することができて嬉しいものがあります。観音経を拝誦できて良かったです。

勤行全体は3~40分ほどで終わり、その後香炉が用意され、お賽銭をお布施して各自焼香することができます。法要のはじめから香炉が出されて自由焼香式のお寺も多い中、最後になって出される方式は珍しいように感じました。なお永平寺の場合朝の勤行で何種類かよむお経の中で、お檀家さんのためのお経のときに香炉が出され、そのお経が終わると回収されます。

こうした本山級のお寺での勤行に参加すると、多くのことが学べます。本堂の造りや荘厳(飾り)にも宗派の考えや歴史が表れますし、何よりも基本無料の自由参加の予約無しの勤行に参拝したらどんな応対をされるか、またどんな運営をしているか、そのあたりがよくわかり、良くも悪くも非常に参考になるのです。素っ気ない中に素晴らしさを感じる場合もあるため、特別へりくだった応対を望むわけではありませんが、ユーザーフレンドリーな感覚が取り入れられた宗派もあれば、あまりも上から目線という場合も時折あります。たまたま対応した僧がそうだっただけなのか、宗派全体がそうなのか、その辺はなかなかわかりにくい部分もあるのですがいずれにせよ実際にその場に行ってみて気が付くことはたくさんあります。

焼香が終わった常連さん方は堂内の仏さまを拝んだ後、靴を履いて退出しはじめましたが私はしばらく若い僧が片付けるようすをみていました。疑問点がいくつかあったのでもしかしたら聞けるチャンスがあるかな、と思いまして。

するとご本尊さまのあたりからでっかいヤカンがおろされ、湯飲みになにか注いでいます。じっと遠くから眺めていると「どうですかー」と声をかけてくださったのでお言葉に甘えて近づいてみると、緑茶でした。

観音様にお供えしたお茶のお下がり参拝者にわけて下さる特別な日が年に数回だけあるとのことで、ありがたくも注ぎたての暖かいお茶をいただくことができました。

浅草寺参拝 御茶湯月参講

小さいカードのような日程表をいただきましたが、年に12回あるようで、日にちは毎年ほぼ同じとのこと。各日によって功徳の大きさが違い、お参りした11月7日は6000日分の功徳があるのだとか!

この情報は知りませんでしたがたまたまご縁ある日にお参りできて良かったです。お茶の味はそれはもう最上の法味でした。

浅草寺参拝 御茶湯月参講

のちに浅草寺のHPで確認してみると以下の情報が掲載されていました。正式に講に入るには入会金や会費などが決められているようです。私は係の僧に訊ねましたが任意のお志で、とのことでしたので湯飲みが置かれた大きなお盆の隅に置いてあったお賽銭を受ける台のようなところに少々の金子をお供えしました。

他にも朝まいりの会や写経会などがあるようです。詳しくは浅草寺公式サイトでご確認下さい。

御茶湯月参講(おちゃとうげっさんこう)

〜功徳日にかんのんさまをお参りしましょう〜
毎月1回の功徳日に本堂に参拝した後、ご宝前の御茶を頂戴し、本堂で法話を聞く会。 御茶湯日(功徳日)

1月1日 2月末日 3月4日 4月18日 5月18日 6月18日
7月10日 8月24日 9月20日 10月19日 11月7日 12月19日

入会金は1,000円。月会費は300円。「おちゃとうげっさんこう」

浅草寺参拝 御茶湯月参講

お茶湯にちなんだ題材で、一日中法話が行われるようです。聞きたかったのですが残念ながら予定があり今回はあきらめました。あらかじめわかっていれば合わせてお参りできたのに・・・またいつか別のご縁を待とうと思います。

浅草寺参拝 御茶湯月参講

記事が気に入ったら是非SNSでアクションをお願いします☆