平成29年梅干し作り_その2収穫した梅の処理と漬け込み

ありがたいことに今年は大豊作、良い梅がたくさん採れまして大型シンクがいっぱいです。このシンクに2杯分の量でした。

梅干し手順

気を付けてはいても、梅の実だけでなく葉やゴミなどが混じってしまいますのでまずはこれを手作業で取り除かなければいけません。炎天下での辛い作業ですから、収穫時点で完全により分けるのは難しいのです。台所での作業はまだ直射日光がないだけ助かります。

梅干し手順

梅干し手順

水を張って、手でゴロゴロとかき混ぜます。すると葉やゴミなどが浮いてくるのですくってよけ、再度かき混ぜて・・・を繰り返します。これによって梅に付着したゴミも洗い流されます。同時に梅のアクも抜けるので水がかなり濁ってきます。何度か水を替え、きれいにすすぎます。仕上がった梅干しは、洗って食べるものではないのでこの段階の汚れ落としとアク抜きがとても重要です。

梅干し手順

だいぶゴミが減ってきれいになりました。

梅干し手順

この時、すでに傷んでいる梅の実も除けておきます。傷んだ梅を漬け込んでしまうとそこからカビが発生しやすくなるので要注意です。

梅干し手順

続いて梅のホシ(へた)を一個一個取り除きます。

梅干し手順

柔らかさがある竹串がベストですが、竹串は100個ほどで先がつぶれてしまい替える必要があります。これだけ大量の梅だと竹串もかなり無駄になってしまうため、今回は金属製のピッカーを使いました。

ホシを取るのは主に2つの理由からです。

漬け込む際、ホシを取った穴から、塩分が梅の実の中にスムーズに染みこんで、梅の内部から梅酢が出やすくなり、早く漬け上がります。漬け込んでから、梅酢がたくさん出て梅が完全に浸るまでの時間が長いと、カビが発生しやすくなり、スピード勝負です。そのためにはホシを取って内部と外部の流通経路を作ってあげる必要があるのです。

そしてもう一つは仕上がった際の食感です。ホシは硬いので嚙むとガリッとして柔らかい梅に合いませんから・・

これだけの量のホシを取り除くのは非常につらく長時間かかるたいへんな作業ですが、手間を惜しまず、心を込めて調理する精進料理の教えどおり、黙々と作業を進めます。

梅干し手順

ホシを取りながら、傷がほとんどなくきれいな上等品、大きめの傷があるが見た目以外は問題なく使えるもの、使ってはまずいもの、の3段階に仕分けします。

写真左下にみえるちいさい粒粒が、とりのぞいたホシです。1個30秒として・・・

この段階で梅の水分を完全に乾かしておきます。

梅干し手順

右がきれいな梅、左が傷やいたみのある梅です。それぞれ別の桶に少しずつ移し、人間用の体重計で測りながら塩をまぶしてもみこむようにからめていきます。塩は梅の重量に対して18%~20%程度。これよりも減塩にするとカビが発生しやすくなります。保存を考えたらこの塩分量が最低ラインですが、そのためにはきっちり計量して塩を加えないとうまくいきません。

なお昔の方は殺菌のために焼酎を加えたりしますが、どうしても焼酎の味が梅についてしまうので私は使いません。その分、桶や重しなどの器具は完全に消毒したきれいな状態で漬け込みます。

梅干し手順

特大の桶にギリギリまで梅が入りました。これ以上のラインまで入れると梅酢があふれる危険もあるので8分目までにしておきます。梅の重さの倍程度の重しが望ましいのですが、梅が多すぎて重しが足りません。今年はあるだけの重しでなんとかしてみます。

梅干し手順

全部で4桶になりました。写真ではコンパクトに見えますが、特大の桶です。傷みがひどく、うまく漬かるか微妙な梅は一番奥の中型の桶に浸け、梅酢だけを利用します。

この状態で、塩の効果で梅から梅酢が染み出てくるのを待ちます。完熟した梅なら、半日程度で浸りますが、木からもいだばかりの青梅が多いので2日以内に梅酢がいっぱいになれば成功、3日以上かかるとまずいかな・・といったところです。

ここからは自分ではどうにもならないので、虫や異物が入らないように気を使って、カビの発生がないように祈るのみです。

番外編・・・今年はたくさん採れたので梅酒もたくさん仕込みます。大粒で、青々した梅を選び、氷砂糖を加えて、お酒で漬け込みます。

一般的には35%の果実酒用の焼酎を使う場合が多いと思います。酒税法上は、自家製で、アルコール度数20%以上なら許されているため、ウイスキーで漬けるのもたいへん美味です。砂糖の効果で梅からエキスがゆっくり染み出てきて、身体に良い健康酒となるわけです。もちろん禅僧ですからむやみに飲むことはしませんが、疲労時や暑さ寒さで眠りが浅くなってしまう時期などに薬としていただくのであります。まあほとんどはお世話になった方に配布して無くなってしまいますが。

私の場合は2年ほどおいたら梅の実を取り除き、さらに1年ほどおいてトロトロにしてから飲み始めます。つまり今年の豊作の梅酒を味わえるのは平成32年以降か・・

梅酒手順 梅酒手順

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