素晴らしい書籍を紹介します

曹洞宗岐阜県青年会さまが素晴らしい書籍を発刊されました。

2016年3月26日初版発行

曹洞宗岐阜県青年会 編著

128ページフルカラー

岐阜県青年会「おくる」誌の紹介

曹洞宗内部には、全国組織、あるいは各県ごと、各地域ごと、または特定の主旨による同志などにより、さまざまな会が結成されています。その活動も多種多様ですが、中には書籍を発刊する会があります。できるだけ拝読し、勉強させていただくようにしていますが、この書籍は本当に素晴らしい内容で、是非とも多くの方に手に取っていただきたいと思い、微力ながら紹介させていただきます。

葬儀や法事の金銭的な面ばかりが注目され、負担を嫌がり敬遠される例が急増しています。若者の宗教離れも同様ですが、その原因の一つにはやはり葬儀や仏事などの意味や目的がよくわからないことにあると思います。なんのために行うのか、どうしてそれが必要なのか。そこがしっかりわかれば、金銭的側面も理解しやすいと思います。

ただ、宗教に興味が薄れた人達に、どのようにしてそれを説明していくか。これは私たちが直面している難問です。その一つの答えが、この書籍だと思います。

枕経、納棺、通夜から始まり、剃髪、洒水、懺悔、授戒など葬儀中に僧侶が行っている細やかな作法を丁寧に解説しています。

血脈、鼓鈸、引導などふだんから聞いていても意味がわからなかった事柄について、曹洞宗の教えと結びつけて踏み込んだ内容はお檀家さんにとっては是非とも一見の価値ありです。

今では都市部ではほとんど行われなくなった野辺送りなど喪送文化を知るためにも意義深い記事が盛りだくさんです。

そして葬儀後の法事、仏壇、彼岸、盆などまでしっかり網羅されている非常に親切な構成となっています。

岐阜県青年会「おくる」誌の紹介

岐阜県青年会「おくる」誌の紹介

葬儀の流れや作法の意味、由来、素朴な疑問への回答などが丁寧にわかりやすくまとめられています。これまでも同様の書籍はありましたが、読んで途中で飽きてしまうような、単調で表面的なことしか書かれていないものがほとんどだったと思います。それらと一線を画すこの書籍は、まず何よりもビジュアルが抜きんでて優れています。写真だけ眺めていても飽きずに惹き込まれていくようです。これらの素晴らしい写真を納める苦労、かなりのものだったことが想像できます。また記されている文章もよく練られた、うわべだけでない攻めた内容になっていてとてもためになり、また心を打つストレートさがあります。おそらく、一著者が普通の出版社から刊行したらこの価格でこの内容の書籍はまず絶対に無理でしょう。会の事業として利益を度外視したからこそ実現したであろう、これ以上ないほどお買い得な内容です。

僧侶も是非手元においておくべきですし、一般の方もこの書籍を通じ、今の時代にこそ仏事の意味を自ら学び、自分は葬儀や法事にどう関わり、どう営んでいくべきかを主体的に判断していくために大いに役立つと思います。

こうした書籍は部数限定の場合が多く、数年後に入手しようとしてももう絶版になっていることがよくあります。是非、お早めにお求めになることをお薦めします。

岐阜県曹洞宗青年会さまのページから注文可能です。

詳細、お問い合わせは上記特設ページにお願いします。

岐阜県青年会「おくる」誌の紹介06読経

書籍を刊行するというのは、個人でもたいへんな苦労と時間が必要です。ましてや、会として刊行するとなればその何倍もの労力が必要になります。しかしながら、それを乗り越えて大勢の才能が良い方向に増幅され相乗効果が働くと、個人ではなし得ないような素晴らしい結果になることがありますね。経験上、大勢でやるとうまくいかないことが多い中で、これだけの本を作り上げた岐阜県青年会さまの結束力と実行力にただただ感銘するばかりです。

出版部長の大橋師はかつてともに机を並べて布教法を学んだ仲間です。師の御努力に敬意を表し、会員の皆様に少しでも追いつけるように私も精進を重ねたいと思います。

お世辞抜きで、本当に素晴らしい書籍と出会えたご縁に心から感謝しております。

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