夏の精進トマト汁_お盆のお供え精進料理レシピ

夏の精進トマト汁_お盆のお供えレシピ

この時期旬を迎えるトマトの値段が下がり、逆に栄養価は上がって消費者にとってはうれしい時期です。
というのも現在のトマト栽培は露地栽培はごく少数で、ほとんどがビニールハウスでの栽培だからです。トマトを栽培するにはまず温度管理が必要で、寒いと赤く熟しません。そのため冬場のトマトはよほど暖かい地域でしか行えず品数が少ないため必然的に価格が上がり、また輸送費や温度を上げるための暖房などの燃料代が必要になるためさらに価格が上がるというわけです。

また、現在のトマトは水を枯れる寸前まで、極力少なく与えて育てる方法が主流で、そうすると糖度が上がって甘くなるのです。そのためには雨がかからないようにビニールハウスでの栽培となります。また受粉に蜂を利用する場合が多く、巣箱を置いて蜂が逃げない様にやはりビニールハウスを使います。

ビニールハウスの中でトマトを栽培することで、気温が上がってさらにトマトが早くおいしく収穫できるというわけですが、生産者にとっては非常に厳しい現場です。ただでさえ暑い夏に、さらに高温のビニールハウス内で、汗だくになって作業をなさっておられます。ハウス内の気温は軽く40度を超えるのだそうで、トマト農家の方は一夏で激やせする方が多いです。ぶっ倒れないのですか、と聞くと、みなさん応えるのは「トマトを毎食2個くらい食べていれば大丈夫」とのこと。やはりリコピンやビタミン類はじめ、暑さを乗り切るための栄養が豊富なのでしょうね。

生産者のように毎食2個食べるのは難しいでしょうが、暑さで食欲が落ちがちな夏に、トマトを使った食べやすい精進料理スープを紹介します。冷蔵庫で保存すれば三日は持ちますし、冷たくして食べてもいけます。

精進料理にトマトはイメージ的に合わないと思う年配の方もおられるでしょうが、ふだん自分たちが食べている食材を使ってお供えするのが精進料理の基本です。いまや夏の定番食材となったトマト、ご先祖様も珍しがって食べて下さるに違いありません。ぜひこの夏はトマトのスープをご先祖さまにお供えし、そして自分でもおいしくいただいて健康を維持しましょう。

○夏の精進トマト汁
1 トマト1~2個のへたをとり、くし形に切る。
2 大根(かぶでも可)をイチョウ切りなどにする。
3 こんにゃく50gを一口大に切る。
4 しめじ50gをほぐす。
5 ズッキーニ70gを輪切りにする。
6 鍋にオリーブオイル小さじ2を敷いて加熱し、1~5を炒める。(トマトジュースを加えない場合はここで1のトマトの半分を加えて炒める)
夏の精進トマト汁_お盆のお供えレシピ

7 油が回ったら昆布だし200ml、酒大さじ2、みりん大さじ1を加えて弱火に落とし、15分ほど煮る。(トマトジュースを加えない場合は昆布だしを倍の量に増やす)
夏の精進トマト汁_お盆のお供えレシピ

8 トマトジュース150~200ml程度と1のトマトを加えてさらに2~3分ほど煮込み、最後に味をみてものたりなければ塩こしょうで味付けする。
夏の精進トマト汁_お盆のお供えレシピ

夏の精進トマト汁_お盆のお供えレシピ

もてなし用途の場合や、親族が集まる法要でお供えする場合など、見た目を重視する場合は缶の100%トマトジュースを加えると真っ赤できれいなスープに仕上がります。自分で食べる場合で見た目は気にしないなら、トマトジュースは加えずに良く熟したトマトを6で加えて炒め、さらに仕上げの8の段階で残り半分のトマトを入れ、半分は煮つぶして汁に溶かし、半分は固形のまま残すようにすると良いでしょう。その場合は色はうっすらピンクになり、酸味が利いたサッパリ味に仕上がります。

もちろん加える具はレシピ通りでなく、手元にある野菜をうまく利用すればOKです。

夏の精進トマト汁_お盆のお供えレシピ

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コメント

  1. […] このページでは必要なレシピだけを載せています。調理中カットや作り方のコツやポイントなどの詳細部分は典座ネットブログ平成27年夏の各記事をご参照ください 飯椀 雀皿 汁椀 平椀 膳皿 坪椀 […]