精進料理とおかゆ6 続々・手軽でおいしいおかゆ二品

病名が判明したとはいえ、すぐに治るわけではありません。本日は体調が思わしくなく、一日中床に伏しておりました。しかしここはなんとか頑張って今日もブログ更新したいと思います。

 「軽いとは言え、さすがに肺炎なんだからブログくらい休んでは?」という御意見メールも数通いただきました。お心遣いありがとうございます。そうしたご厚意を意味もなく無にするわけではないのです。

ここまで無休にこだわるには理由があります。曹洞宗の修行道場では、一年間を3ヶ月おきに4つの期間に区切っています。下図のように「制中(せいちゅう)」という期間を3ヶ月経たら「解間(げあい)」が3ヶ月、そしてまた制中が3ヶ月、解間が3ヶ月という具合に1年が過ぎるのです。(このままの画像は多少見づらいので、画像をクリックして大きくして下さい)


精進料理とおかゆ6 続々・手軽でおいしいおかゆ二品

「制中」の3ヶ月は、道場から外出せず、また解間よりも厳しいスケジュールで集中的に修行を行います。もともとインドでは各地を遊行して修行を積んでいましたが、雨期には移動が難しいため、僧たちは森などの一定の場所に集まって修行を行いました。この故事にならい、中国や日本でも一定期間集中して寺にこもる期間が設けられるようになったのです。これを「安居(あんご)」ともいい、道元禅師も非常に重視されました。実際に、現在の修行道場でも、この制中の3ヶ月間で修行僧たちは多くの汗と涙を長し、日常では得難い数多くの尊い経験を積むことになるのです。

「解間」の3ヶ月間は、制中の厳しさも多少は和らぎ、修行僧たちが入門したり寺から旅立つ期間です。すなわち、寺からの出入りが禁じられる制中を終え、道場から卒業する者と、新たに入学する者の入れ替わりが行われるのです。引き続き寺に残る者も、一年先輩の立場となるわけで、新たな修行に取り組むことになる新鮮なる時期ともいえます。

要するに、修行道場ですからもちろん一年中厳しいのですが、ずっと張りつめたままでは逆に良い修行ができません。一年を3ヶ月ごとに区切ってメリハリをつける非常に良いシステムなのです。

「制中」には、「首座(しゅそ)」という特別な配役が設定され、修行僧の中から力量を認められた優れた雲水が任命されます。その首座をリーダーとして、修行僧たちは一つにまとまって修行に励むのです。制中には毎日欠かさず、ほとんど休む間もなくビッシリと法要や作務などが行われるのですが、首座はどんなにつらくても、またたとえ風邪などで体調が悪くても、リーダーの責任を果たすべく、決して休まずに第一座の位置を守りぬくのです。確かにつらい3ヶ月なのですが、首座として努力したその月日はかけがえのない自信ともなるのです。

当ブログを再開するにあたって、初めの三ヶ月は、自分にとっての制中だと思い、なんとかして100日間休まず更新を続けようと発願したのです。まだまだ修行が足りない未熟者でありながら、修行道場の調理責任者である典座として四年間修行僧を指導してきた私ですが、ともすれば指導者などとおだてられ、調子に乗って足元を見失うことにもなりかねません。ここでいったん一修行僧の謙虚な心に戻って、3ヶ月間頑張ってみようと思っているのです。11月1日に更新を開始してから、すでに2ヶ月あまり、あと数週間で3ヶ月無休で制中を終えることができるのです。たかがブログとはいえ、自分にとっての大切な修行として自分に課した3ヶ月間なのです。

もちろん、制中を終えた後もなるべく多く更新したいとは思いますが、春から秋にかけては寺も忙しくなるため、毎日更新するのは正直言って難しいと思います。ここまで来て肺炎になってしまったのは残念ですが、なんとかして制中を乗り切ろうと思っているわけです。

○キノコのおかゆ

栄養満点、キノコをたっぷり使ったおかゆです。

コレステロールや血圧を下げ、また血液をさらさらにし、肝臓にも良く、ガンを抑える効果も期待されるキノコ類ですが、最近骨の発育に関係する ビタミンD2の元になる物質「エルゴステロール」をを多く含み、骨粗鬆症の予防に効果があるトレハロースを多く含むことがわかりました。

また精進料理では、だしをとるために干椎茸を用いますが、だしをとった後の椎茸を無駄にせず再利用するにも適した献立です。

ちなみに、本日紹介するレシピではキノコ類をいったんごま油で炒めて香りとコクを出していますが、サッパリした方が好きな方は炒めずに直接キノコを内釜に入れて炊飯しても良いでしょう。

だしをとった後の干し椎茸を利用する場合は、椎茸によってはそのままだと味が貧弱になる場合があるので、炒めて下味を付けた方が良いと思います。

きのこの風味と食感が格別なこのおかゆ、季節的には秋が旬ですが、今では栽培ものがほぼ一年中安価に入手できます。是非一度おためし下さい。


精進料理とおかゆ6 続々・手軽でおいしいおかゆ二品

1 お米1/4カップ(45cc)をとぎ、水2カップ(360cc)

とともに炊飯器の釜に入れ、30分以上水に漬けておく。

30分経ったらおかゆモードで炊飯器のスイッチを入れる。

2 お好みのキノコ類を食べやすい大きさに切る。

人参を細切りにする。

今回は、椎茸100g、えのき50g、エリンギ100gを使用。

3 フライパンにごま油15mlを敷き、キノコ類を炒める。

キノコに油が行き渡ったら、酒50ml、しょう油5ml、塩少々を

加えて炒めあげる。

4 炊きあがったおかゆに、炒めたキノコ類を加える。

☆秋にはぎんなんなど季節の食材を加えても良いでしょう。
○ミントのおかゆ

ミントのおかゆとは奇怪な?と思われるかもしれません。しかし以前知り合いの若い女性がインドだったか中国だったかに旅行に行って食べたと聞き、作ってみました。うつわにも気をつかえば、おかゆとは思えぬオシャレなイメージになります。

サッパリしたハーブが意外とおかゆに合います。食欲がない時にお薦めです。ミント以外のハーブも、いろいろ試してみるとおもしろいかもしれません。作り方自体はできあがったおかゆにハーブを混ぜるだけなので非常に簡単です。ちなみにこのミントは小袋で100円でスーパーの野菜コーナーのすみに売っていました。


精進料理とおかゆ6 続々・手軽でおいしいおかゆ二品

1 お米1/4カップ(45cc)をとぎ、水2カップ(360cc)

とともに炊飯器の釜に入れる。

2 30分以上水に漬けてから、おかゆモードで

炊飯器のスイッチを入れる。

3 できあがったおかゆに、軽く洗って葉を茎からほぐしたミント(各種ハーブ)を混ぜる。

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