通院

 本日は朝から肺炎の治療のため、例によって峠を越えて遠い市の大きな病院へ行ってきました。レントゲンを見る限り、だいぶ肺のかげも小さくなっており、順調に回復しているとのこと。もう少し様子を見てから精密検査をして見ましょうということになりました。皆様にはたいへんご心配をおかけしました。励ましのメール等下さった方々へこの場をお借りして御礼申し上げます。

 さて、今日は特に病院の待合室が混んでいました。かなり大きな病院のため、内科だけでも先生が6人いて、6室ある内科診療室がフル回転しているのですが、それでも患者が多すぎて、(ざっと見たところ待合室に100人以上いたと思います)なかなか順番が回ってきません。

再来院の患者は、前回の診療後に、あらかじめ次回診療時間が予約されていて、病院側も混みすぎないように患者を割り振っているのですが、その他にも初診の患者が飛び込んでくるため、なかなか予約時間通りには診察が始まりません。

待っている患者の中には、あきらかに待ちくたびれてイライラしている方が何人かおりました。

その中の一人が、診療の順番をとりしきる看護師さんにつめより、「オレの番はまだか!ずいぶん待っているんだけど!」と強い口調で食いかかりました。看護師さんも困った顔をして「順番に診察していますので、もう少しお待ち下さい」というばかり。

男性は「それにしてもおそすぎるよ!もう予約時間を30分以上過ぎてるよ!」ブツブツブツ・・・。

おそらく私を含めたほとんどの方が、「30分くらいで何を言っているのか。こちとら1時間も待ってるわ!」と内心あきれたことでしょう。みればその方はそれほど具合悪そうではありませんでした。もっとつらそうなお年寄りが黙って待っているというのに。

確かに、病院にいくということはどこか具合が悪くて行くわけですから、そうした状態で長時間待たされるのは非常につらいということはよくわかります。

しかし、だからといって、看護師さんにまだかと言って当たり散らしてみてもどうにもならないことです。基本的には公平に受け付けた通りの順番で進めているわけで、医師だって精一杯診察しているわけですから、おとなしく順番を待つしかないわけです。

もちろん、高熱だとか、待っていられないほどひどい病状であれば、看護師さんに申し出て優先的に診察してもらうべきだし、そういう時にまで遠慮しろとは思いません。

しかし待っていられる容態である限り、黙って待つのが美徳ではないでしょうか。

誰だって早く診察を終えて帰りたいわけで、その中で自分だけ早くしてほしい、というのは単なるわがままというものです。「私は忙しいんだ!」と思うのはその人の都合で、誰にも都合はあるわけです。混んでいることに腹を立てて見ても、病院が悪いわけでもなく、医師が悪いわけでもなく、看護師も、待っている患者たちも、誰も悪くないのです。

逆に言えば、適当な診察で一人2分くらいでササッと回転して早く順番が回ってくるよりも、丁寧に時間をかけて診察してくれていると思えば多少待ち時間が長いのも仕方ないと思うのです。

世の中すべからくスピード社会でして、何ごとも待たないで済ますことが当たり前になっています。それに慣れてしまい、私たちの感覚が麻痺しているのかもしれません。

しかし、世の中には自分の思い通りにならないことがたくさんあるのです。それを仏教では四苦八苦といいますが、今回のケースは早くして欲しいのに早くしてもらえない、すなわち「求不得苦 ぐふとくく・求めているものが手に入らない苦しみ」に分類されるでしょうか。

うちのムラにある小さな個人医院の待合室では、ほとんど顔見知りばかりの上、そんなに長く待たないので、待合室でこんなイヤな空気になることはいままでありませんでした。やはり大きな病院ともなると、お互いが知らない人同士なので、道徳観念よりも自分の欲望が優先してしまうのでしょう。こう言う時は、私のようにあらかじめ小型の本でも持参して読書にふけるか、あるいは隣の人と世間話でもして時間をつぶすかして、待つことを苦痛に思わないような工夫をするのが良いと思います。イライラしてみてもどうにもなりませんし、ましてや看護師さんにイライラをぶつけてみても、本人も満たされないし、看護師さんも困るし、さらに周囲をもイヤな空気にさせます。

もちろん、病院の待ち時間に関しては色々な問題や背景がありますので、表面だけ論じても解決しないことだとは思います。反論がある方もおられるかもしれません。本日は私個人が感じたことを書かせていただきました。

なんにせよ一番良いのは健康を維持することです。皆様お大事にどうぞ。

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