手作り梅干に挑戦しましょう

先日、キュウリとセロリの梅肉和合を紹介しました。手軽に作ることができ、時間のない方でも取り組みやすいレシピだったこともあってか、何人かの方から実際に作ってみたという感想メールをいただきました。


その中に、手軽なレシピもいいけれど、できれば手間のかかるものも紹介してほしいという要望がありました。
そこで今回は、以前から要望が何件かあった梅干しの漬け方をご紹介します。
昔は家庭で手作りの梅干しを作るのが当たり前でしたが、今の時代それはなかなか難しいことでしょう。特に若い方や都会にお住まいの方は、梅干しは買って食べるもの、と思いこんでいるかもしれません。

しかしながら、多くの食品偽装問題などで食への安全・安心がゆらいでいる今だからこそ、こうした手作りの健康的な食品をあらためて見直すべきだと思うのです。
手作りなら、塩加減も味も自分自身で調節できますし、なによりも自分で作れば安全間違いなし、そのうえ梅干しを作ることの大変さを実感できます。(まあ、大変とはいっても、修行道場のように、ものすごくたくさん漬けるわけではないので、そんなに時間はかかりませんが)ぜひ今度の日曜日に挑戦してほしいと思います。

さて、はじめに申し上げておきますが、梅干しの漬け方に「こうでなくてはいけない」というような定石はありません。地域によって、そして家庭によって漬け方はさまざまです。昔はどこの家でも漬けていたため、その家の数だけ梅干しの秘伝が伝えられていたのでしょう。漬け方を変えれば味も食感も変わります。ですから、この漬け方をみて「うちと違う!」とか「それ、間違えてるんじゃないの?」と思わないでください。あくまで、初めての方が、お店で入手できる梅を使って、少量でも失敗無く漬ける場合の一例としてご覧下さい。

梅の木に実が

当ブログ4月10日の記事に、梅の花が咲いている写真を載せましたが、時が経つのは早いもので、どっさりと実がなりました。今年は豊作のようです。この梅の実を丁寧にもぎます。なお、本当はもう少し黄色く熟してからもいだ方が良いのですが、当寺の梅は日当たりがいまいちの場所で、しかも斜面にあるため、黄色くなるまで待っていると梅に虫がついてしまうか、あるいは落ちて斜面を転がっていってしまうので、青いうちにもぎます。またもいだ青梅を箱に入れて部屋に1週間くらいおいて黄色くしても良いのですが、その分香りが落ちてしまいます。

梅の木なんて家にはないよ、という方は、今の時期大きなスーパーや八百屋さんで、もいだ青梅が市販されています。梅の生産がさかんな、南の暖かい地方では6月下旬には販売時期が終わってしまっていると思います。南の地域のネット販売はもう今年は終了しているとおもいます。しかし関東北部より北では、今ちょうど売っている頃だと思います。地元の物産館や土産物用の農産物直売所などをチェックしてみてください。それでもなければ近くの八百屋さんに言えば取り寄せてくれると思います。
値段は、だいたい2~30粒で300~500円くらいです。高級品種だと1000円くらいします。(今回紹介している量は、青梅1キロを使っています。)

用意する物
・青梅1Kg(または黄色く熟した梅)
・焼酎80ml
・塩150~200g
・ジップビニール袋(または容器)、おもし
・しその葉(次回使用、今回は必要なし)

梅のあく抜き

まず、梅を多めの水に2~3時間漬けてあく抜きをします。梅が黄色く熟している場合は、あく抜きしなくても大丈夫です。

梅のヘタ取り

次に、水から出して一つづつていねいに水気を拭き取り、楊枝などでヘタを取り除きます。梅に傷を付けないように気をつけてください。

梅に切れ目を入れる

包丁で、梅の側面に切れ目を入れます。種があるので、種にぶつかるまで、片側だけ切れ込みを入れるような感じです。これによって、仕上がった梅干しにも切れ目が入ってしまいます。なんでわざわざそんなことをするかというと、青梅を失敗無く漬けるための作業です。黄色く熟した梅の場合は不要です。また、青梅でも、たくさん漬ける場合はしなくても良いのですが、少量の場合は切れ込みを入れた方がより確実です。
ヘタを取ったらもう一度よく水気を拭き取ります。

塩をまぶす

次に、梅をボールに移し、焼酎50mlをふりかけてなじませます。焼酎は果実酒用の35%のホワイトリカーとよばれる紙パックで販売されているものが一番良いですが、なければし、普段飲んでいるものでも良いでしょう。普通の焼酎を使う場合、好みによりますが、芋焼酎ではなく麦焼酎の方が良いです。焼酎をかけるのは、塩がなじみやすくするためと、消毒の意味があります。このとき、水気が加わるとカビやすくなるので、手や道具の水分は厳禁です。

袋に入れる

そして塩を150gふりかけてからめます。精製塩より、あら塩の方が良いです。なお、この塩の分量はかなり減塩梅干しにする分量で、冷蔵庫利用前提の量です。室温で漬ける場合は、塩を増やさないとうまくいきません。減塩にしない場合は、180~200gの塩を使ってください。
ボールの中で少し梅をもむような感じでよく塩をなじませたら、チャックつきのビニール袋に梅と塩を移します。そしてボールの中に残った塩に、焼酎30mlを入れて良く塩を落とし、その焼酎と塩もビニール袋に全て移します。
なお、梅干し用の容器を使っても良いのですが、少ない量だとうまく浸からないし、冷蔵庫に入れるためにはビニールの方が都合が良いので、今回はこうしています。3キロくらい漬ける場合は、容器を使った方が良いです。

おもしをかける

ビニール袋の空気をある程度抜き、チャックを閉め、万が一ビニールが破れて水分が漏れても良いように、先ほどのボールにビニールを入れ、その上に重しをかけます。重しは石でもブロックでも何でも良いですが、減塩なので2キロ~3キロないとうまくいきません。大きいペットボトルに水を入れて重しにしても良いかもしれません。
この状態で、直射日光を避けた、涼しいところ(部屋の隅とか)に置いておきます。
(まだ冷蔵庫には入れません)この状態で、5~7日くらい置きます。3日くらいで、梅から水気が出るはずです(梅酢といいます)もし3日立っても出ない場合、塩のすり込みが足りないか重しがたりないかのどちらかです。袋の上からもんでみてください。

さて、ということで続きは後日。1週間気長に待ってください。これを待つのも楽しいものですよ。

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コメント

  1. 40代男性 より:

    現在群馬県に在住しています
    仕事は料理とは全く関連のない職種です
    精進料理を学びたいのですが、定期的な料理教室の開催はございますか?または、そのような予定はございますか?
    回答はいただけないのでしょうか