4月活動の報告

当地では4月にお寺関係の行事がとても多いのですが、今年は例年にもまして過密なスケジュールでした。

 その上、4月中旬に30センチの降雪があったかと思えば数日後には一転してTシャツになるほど暑い日になったりと、4月は天候がとても不安定で、身体がついていかずに体調を崩し、風邪を引いてしまいました。いつもなら数日で治るのですが、今回の風邪はとても長引き、10日ほど熱が続いて、医者で点滴をしたりしながら予定をこなし、とても大変でした。


4月半ばに積もった雪。こう気温が激変しては身体もきついはずですね。

熱が下がらず、のどが腫れたガラガラ声で法要に参加したり、各方面から依頼されていた原稿執筆が遅れたりと、周囲にも大きな迷惑をかけてしまい、やはり健康が大切だなあとあらためて実感しました。
5月はじめにはすっかり回復したのですが、風邪の間にためてしまった雑務をこなすのに時間がかかり、例によってブログ更新は後回し。ボチボチ更新を再開したいと思っています。

サクラも連休前に終わってしまいましたが、4~5月のお知らせなどをまとめてご紹介します。

4月上旬、二つのお寺からそれぞれ依頼され、大きな法要でお檀家さんが集まった場でお話しをさせていただきました。今回は日程的に近かったこともあり、2カ所ともほぼ同じ内容を選びました。
内容は「お仏壇のお祀りの方法と曹洞宗」についてです。
ふだん、お檀家さんの自宅に行って読経する際、お仏壇の中におかしな配置をしているお宅が意外と多いものです。気づくたびに「これはちょっとヘンですよー、」とお伝えするのですが、ほとんどの方が「へー、そりゃあ知らなかった、教えてもらって良かった」という方が多いです。

「曹洞宗の基本知識」みたいな題の本を買うと、だいたい仏壇について書いてあるのですが、あまり具体的ではない場合が多いです。あとは、写真ではなくイラストだったりして。
全国的に販売する書籍だと、あまり具体的に書きにくい事情があるのだと思います。地域差なども大きいですしね。

そのため、今回は実際に仏壇や本尊さまの仏像、位牌など一式を持参して、現物を見ながら具体的に
説明しました。
たとえば、位牌といっても色々な種類があって、どれをどう選べば良いか。
ご本尊様は木像と掛け軸とあるがどう違うか。
黒塗りの位牌と白木の位牌はどう違うか。
繰り出し式位牌ってどんなものか。
位牌が多い場合は、仏壇のなかでどこに置くべきか。
蝋燭立ては1本か2本か。
兄弟の位牌をもらったがどこに安置すればいいか。
妻の親の分け位牌はどうすればいいか。
どうしてお線香やお花などをお供えするのか。

などなど・・・。

また仏壇の祀り方を深く知ることは、曹洞宗の教えを学ぶことにもつながります。
本尊さまはどなたなのか、そして両脇に安置する仏像はどなたで、どんな方なのか。
毎日おがむ仏壇だけに、きちんと理解することが大切です。

みなさんこういう話はふだんあまり聞けないので、自分で言うのもなんですがとても熱心に聞いて下さいました。終了後の質問コーナーでも活発に手があがり、みなさんが聞きたい話題だったのだなあ、とあらためて感じました。
苦しいとき悲しいときに心の支えとなるような法話もありがたいのですが、こうした実用的で、すぐに役立てることができる話題も大切ですよね。

まあ、たぶん実際に仏壇を持ってきてお話するような和尚は全国的に見てもあまりいないでしょうからね。
(昔話で、お堂をかついた「御堂っ子太郎」というのが出てくる話があるのですが、それにちなんで先輩僧侶に「おまえは仏壇和尚だな」と言われました(笑))

ポイントは、あらかじめその寺の住職とよく打ち合わせして、その寺の方針や地域の習慣を踏まえて具体的に話すことです。そのへんは地域や住職により違う部分があるので要確認なのです。

次に、以前ブログでもお知らせしたとおり、6月13日に、新潟県上越市で行われる精進料理企画「典座和尚の精進料理と法話」ですが、おかげさまで早々に募集定員80名に達したため、受付を締め切らせていただきました。
大勢の方のお問い合わせとお申し込み、誠にありがとうございました。当日お会いできることを楽しみにしております。

また、連載しております仏教誌『大法輪』の企画「こころと身体を養う精進料理」の第二回目が掲載されました。
第2回目は春に旬をむかえる「フキ」。手軽で簡単な料理が流行する今、あえて手間をかけることの大切さを説きました。ちょうど今くらいの時期から出回る、茎が太いフキを使って、「伽羅蕗」を作ってみて下さい。
掲載料理は大法輪閣ホームページをごらんください。

さて、そんなこんなでむかえた5月、風邪に十分注意してがんばろうと思います。

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