タケノコ姫皮の梅肉あえ

あく抜きのために下ゆでしたタケノコの最先端部分に、「姫皮」と呼ばれる部分があります。

柔らかく薄い皮が何重にも重なっており、舌触りも風味も最高です。これを丁寧に優しく破れないように先端から取り除いて使います。外皮に近くなるほど筋ばって堅くなってくるので、食べられる範囲を見極めて柔らかい部分だけを選別し、繊維の方向にそって細切りにします。

姫皮は一本のタケノコからほんのわずかしか採れないため、大変貴重な食材です。
タケノコの身の部分は水煮パックなどで一年中市販されており容易に入手できますが、姫皮だけはこの時期、生のタケノコを自分で下ゆでしなくては手に入らないのです。
永平寺でも数百人分の修行僧用にタケノコをゆでても、とれる姫皮はボールに一杯分くらい。そのため全修行僧には到底行き渡らず、限られた高僧や来客への特別料理として用いる程度です。
巷の料理店などでも、店の公式メニューとして大勢のお客さんには出せないため、いわゆる裏メニューとして常連さんに出すか、裏方のまかないとして食する場合が多いようです。
この春の珍味、ぜひご自身で味わって頂きたいと思います。

1 あくぬきしたタケノコの姫皮を細切りにする。
2 梅干しの種をとりのぞき、包丁でこまかくたたく。
梅干しがしょっぱいようなら、砂糖かみりん少々を加えて調整する。
また柔らかさが足りないようなら、水かみりん、梅酢などを加えて調整する。
3 2で1をざっとあえ、木の芽をのせる。

※姫皮は指定した分量ちょうどを用意するのは難しいため、今回は分量指定は無しです。あまり梅が多くなりすぎないよう、1本のタケノコに梅干し大型なら1個、小型で2個くらいが目安です。
しょっぱい梅干しではなく、甘めの梅干しがよく合います。あえる際はあまりしっかりあえようとすると姫皮の繊維が破れてしまうため、加減しながらざっとからめるようにあえます。

余談ですが先日入手した新型カメラ、想像以上の性能です。
一枚目の写真の木の芽の部分を100%まで拡大したのが下の写真。こんな小さな部分ですが、木の芽のうぶ毛まできれいに写っています。木の芽のうぶ毛なんて、肉眼でも気にしたことがありませんでした。まあ普通の大きさで観るかぎりではここまで細かくは表示されないため、拡大しなければわからないレベルなのですが、細部までしっかり写っているということはなにかとありがたく、また逆に怖い面もあるすごいカメラです。徐々にテストを重ね、雑誌掲載の実戦に投入しようと思っています。

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