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煮汁の味付けご飯_令和元年7月盆の

 精進料理ではなるべく無駄を出さずに食材を使い切ります。煮物に使った煮汁も同様で、そのまま捨ててしまうのではなくなんとかしてリサイクル・再利用・流用できないか工夫します。もちろんそうはいっても利用できない場合もありますが、よく使うのが煮物を作るために作った煮汁をご飯を炊く際に混ぜ込む「味付きご飯」です。これは・・・まずはずれることなく美味しく仕上がります。今回は味をはっきり理解してもらうために何も具を入れませんでしたが、煮崩れた煮物のカスや端材などを加えることも良くあります。大根の汁のようなあっさり系の味、厚揚げのようなコッテリ系、少し油分が加わった煮汁など、煮物の傾向によって仕上がりが変わります。今回は両方を混ぜる形で紹介しましたが、お好みによってどちらか片方だけにしても良いですし、また薄くしたり濃くしたりするのも自由です。肝心なことは煮汁も無駄にしないようにするという心構えです。お盆のお供え膳として、みほとけの教えを実践する精進料理は最適だと思います。そしてなおかつ美味しく仕上がるという、もういうことない一品です。煮汁だけだと少し薄くて物足りないという方はしょうゆを適宜加えると良いでしょう。

けんちん汁‗お手軽手順版_令和元年7月盆のお供え精進料理膳

精進料理初心者にまず調理してほしい献立の一つがけんちん汁です。特に何品かまとめて調理する際に、他の料理で出た半端な具材や、むいた皮、葉などふつうなら捨ててしまいがちな食材を無駄にせず、すべて加えて使い切る、精進料理の不殺生の心が活かされた料理です。しかも多くの具材を加えることで味が深まりとてもおいしくなります。 けんちん汁はもとは落としてつぶしてしまった豆腐を利用したことが始まり、という説もあります。大量に作る際は、豆腐に重しを1時間以上かけて水をしっかり抜き、豆腐だけを乾煎りしてつぶつぶ状にして作るのですが、今回は初心者向けのお手軽版レシピということで豆腐を炒める過程でまぜこむ方法をご紹介します。少量を作る際には有効な調理手順です。 少量といっても、けんちん汁を1人分だけ作ることは難しく、かえって具材に無駄が出てしまいます。今回は4人分程度の分量です。多く作る方が、より深みのある味が出ます。なおけんちん汁は「汁」という名称ですが、具だくさんで汁気が少ないのが特徴です。いわゆるすまし汁のような、汁を多くいただく料理とは別ものであると認識してください。どうしても汁を多くしたい方は加えるダシを多くしても良いのですが、その分味が薄くなってしまい、けんちん汁からは離れてしまうでしょう。うつわに盛って冷めると具が汁気を吸ってしまいさらに汁が少なくなってしまうため、早めにいただきます。お供え膳にする際は少し多めに汁を盛るとよいでしょう。 使う具は一例で、すべて無理にそろえる必要はありません。手元にある具材をうまく利用しましょう。なお普段から半端な食材を簡単に捨てずに確保するように心がけ、たまったらけんちん汁にするのが修行道場の智慧です。 お盆のお供えにあたり、食材の命を尊ぶという仏法、不刹生戒の遵守を実践することにもなる「けんちん汁」の調理法をぜひご参考になさり、良きお供え膳を調えてください。 

レンコンと大豆のアボカドわさびあえ_節分の精進料理

○レンコンと大豆のアボカドわさびあえの魅力と特徴 アボカドは「森のバター」ともいわれるほど濃厚でコクのある風味に加え、ビタミンが多く、一個食べれば成人男子に必要な10ミリグラムを達成できます。脂肪分も多いものの、ほとんどが善玉脂質と呼ばれる不飽和脂肪酸で、コレステロールは増加しない、非常に優秀な食材です。 購入する際はあまり固すぎるもの(未熟)や柔らかすぎるもの(熟しすぎ)は避け、ほどよい状態の物を選びます。もしまだ固すぎた場合は室温で数日おいて追熟を待ちます。ただしお店であまりツンツンするのは避けて下さい。 アボカドをクリーム状のトロトロにして、胡麻とワサビで味を調えた、彩り鮮やかなあえものです。ワサビは本わさびをすりおろせば最高ですが、チューブのおろしわさびや粉ワサビでもかまいません。アボガドの濃厚なコクと、ワサビのあっさりピリッとしたアクセントがよく合います。お好みでワサビの量を加減して下さい。ワサビの風味が苦手ならばワサビなしでも美味しく仕上がります。 レンコンはあまり厚くするとあえにくくなるため、3mmくらいを目安にするとよいでしょう。うまみを加え、食感をなめらかにするためのしめじは、エリンギ、椎茸、舞茸など別のきのこでもかまいません。またあえる際は煮汁を良く切ってからあえないとせっかくのあえしろが薄まって水っぽくなってしまいますのでご注意下さい。 またアボカド1/2個といっても、アボカドによって大きさが異なります。そのためレシピ通り作ってもできあがるあえしろの量は変わります。ですからあえる際は全てのあえしろを一度に具に混ぜてしまわず、7割ほど加えてある程度混ぜてみて、様子をみながら加えて、ちょうど良い状態にしてください。 ○レンコンと大豆のアボカドわさびあえの調理手順とレシピ 1 節分の豆を20g程度、水に浸けて戻しておきます。

大豆のピクルス_節分の精進料理

○「大豆のピクルス」の魅力と特徴  節分の豆を使った精進料理、一品目は漬物です。いわゆる和風の漬物ではなく、洋風のピクルスに加えてみました。今回のお膳では漬物皿に盛りますが、漬物カテゴリーにとらわれることなく、大目に作っておけばおかずとしてサラダ的に頂くことができます。 2日目くらいから酢が具材に染みこんで、色がくすんできます。その方が味は染みますが、鮮やかな色とシャキッとした食感を楽しみたい場合は早めに召し上がって下さい。また漬物とはいえ、浅漬けですのであまり長く保管することはできません。豆が傷まないうちに食べきりましょう。 加える塩は、できればあら塩などを使った方が味に深みが出ます。また漬け液は、酸味がきつくならないようにみりんと砂糖を加えていますが、甘くない方がよければ砂糖の量を減らして下さい。具材はレシピ通りでなく、ズッキーニや人参などの切れ端をうまく使って無駄がないように有効活用しましょう。  豆は戻した豆を加えましたが、豆のカリカリした食感が好きなら水で戻さずに、豆まきで使った食べることができる状態のままで加えてもかまいません。ただしその場合はあまりピクルスっぽい仕上がりからは遠ざかってしまうと思います。 もちろん、大豆を加えずに、普通のピクルスとして作ることもできます。 ○「大豆のピクルス」の調理手順とレシピ 1 節分の豆15~20g程度を水にひたして戻します。 2 胡瓜1/2本を縦に1/4、太ければ1/6に切った後、向きを変えて、厚さ5ミリ~1cm

出張精進料理、坐禅と食体験講話とのコラボ

出張精進料理を行いました。 人数は約70名分、一汁三菜、六品の本格精進料理です。会場となるお寺はうちから車で二時間ほどかかるため、早朝4時の薄暗いうちに出発しました。お椀、鍋、食材などなど、会場のお寺にあるものもお借りしますが、なるべく迷惑がかからないようにこちらで準備していきます。そのため車の荷台は満載。運転もいつも以上に気を使って安全運転で移動します。御興味がある方は、お寺からの依頼であれば出張精進料理を常時受け付けておりますので、お世話になっているお寺の住職や、総代さんなどに相談してみて下さい。

手作り精進生麩_平成30年春彼岸のお供え精進料理膳

「大徳寺麩」も類似した手順で作られますが、煮る前に下ゆでする過程などが加わり、また味をしっかり内部まで浸みさせるために日数をかけて煮詰め、内部まで色がついた濃い味の仕上がりとなります。今回はそこまで味を染みさせることはせず、煮物として美味しく頂ける調理過程を紹介しました。 大徳寺麩が商標登録されているからか?大徳寺麩と似た麩がさまざまなネーミングで売られています。禅定麩とか・・私が師事した典座老師はこの調理法を「精進麩」と呼んでいたので敬意をこめて私もその名称を受け嗣いでいます。 同様の麩を「利休麩」と呼ぶ場合をみかけますが、和食では利休麩というと、胡麻をちらした生麩か、千利休が茶会で出した焼麩のお菓子を指す場合が多いので、私個人はこの麩を利休麩と呼ぶのは誤用ではないかと思います。