「 納豆 」一覧

精進納豆マーボー豆腐

 一般的にひき肉と豆腐で作ることが多い麻婆豆腐を、精進料理にアレンジし、ひき肉の代わりに納豆を用いてみました。納豆の原料となる大豆は「畑の肉」と呼ばれるほど植物性タンパク質が豊富な食材で、栄養面で優れています。肉のような濃厚な味になるわけではありませんが、歯ごたえ的にはひき肉のイメージと共通していますし、精進料理らしいあっさりした健康的な麻婆豆腐に仕上がります。  豆腐は木綿、絹どちらでも良いのですが納豆が歯ごたえある固さのため、柔らかい絹豆腐がよくあいます。ただし絹豆腐は加熱途中で崩れやすいのでご注意下さい。  麻婆豆腐の赤い色味を出すために、トマト缶を使いました。またトマト缶と椎茸ダシを合わせることで濃厚なうまみを引き出すことができます。カットタイプならそのまま使えて便利ですが、ホールタイプの場合はまな板で細かく刻んでから使います。また色あいを似せる必要がなければ、熟した生のトマトを使っても良いでしょう。  ピリ辛味がお好みなら、適宜唐辛子等を加えて下さい。またとろみをつける際はダマにならないよう、一度に入れずに少しずつ混ぜながら加えます。チンゲンサイと納豆を加えてからはあまり余分に火を通しすぎない方が良いので、それまでにしっかり豆腐などに火を通します。 

和の試み_精進納豆ソバパスタ

 納豆とソバは相性が良い食材です。ふつうのお蕎麦に、納豆を載せて食べても美味しくいただけますが、今回は少し工夫してパスタを試してみました。ソバの少しヌメッとした食感と枯れた風味が納豆ととてもよく合います。そして同じくヌメリ気がある長芋とえのきを加えた和風のソバパスタです。  ソバを油で炒めることはあまりしませんが、意外とよくなじみます。オリーブオイルでも良いですが、ソバの場合普通のサラダ油や大豆油など和の素材から作った油の方が良いように感じます。  ゆでたあとさらに炒めて加熱するため、あまり柔らかくゆでない固めの状態の方が良いです。干しソバのゆで時間は製品によって異なりますが、指定時間の8割くらいのゆで時間にとどめて少し堅めにゆであげます。あるいは食べ残して固くなった前日のソバをリサイクル利用しても良いでしょう。  フライパンの中で具とソバを混ぜる際、あまり何度もかき混ぜすぎるとでんぷん質がとけて麺がボロボロになってしまうため、煮汁を多めに加え、トングを使ってサッと混ぜるようにします。味が薄く感じる方はエノキを炒める際のしょうゆの量を増やして下さい。 

おろし納豆の焼き餅

 お餅の季節はまだ少し先ですが、禅寺では年末に大餅つき大会が行われます。まあもちろん餅つき大会などとは呼ばず、臼と杵を前にして正式な法要が行われ、修行の一環として厳粛な中で搗くのですが、修行道場の全員が交替交代で力強く餅を搗くうちに徐々に熱気がこもり、その姿はまさに餅つき大会と呼ぶのがピッタリな表現だと私は感じます。  寺のご本尊さまに供える特大の鏡餅をはじめ、堂内に祀る全ての仏さまや境内のはずれの小さなお地蔵様やお稲荷様にまで、全ての諸仏諸菩薩諸天善神にお供えする餅を用意するため、一般家庭では考えられないほど大量の餅をつきあげます。米を蒸す役、搗く役、搗いた餅を成形する役を交替交代でつとめて数時間かかる大作業です。仏さまに供える分は丸い鏡餅の形に整え、また修行僧がお正月に食べる分は平らにのして角餅にします。角餅にする際に出たはじの部分は、その場でちぎり餅にして、きなこやしょうゆ、あんこなどをあえて早速その日の食事としていただきます。つきたてアツアツのお餅をその場で頂く美味しさは格別です。  その際の味付けで人気が高いのが納豆おろしです。大根おろしを加えることで納豆の臭みと粘り気が和らぎ、サッパリした風味となります。少し焦げ目がつくほどに焼き上げた香ばしいお餅とからめれば、低コストながら最高のごちそうになります。古来、力強く搗いたお餅は神聖な力が込められた尊いお供えとされてきました。餅の霊力をおいしく摂り入れて、明日への活力にしましょう。 

モッチリカリカリ精進納豆チヂミ

 チヂミは水で溶いた小麦粉を焼いた韓国料理です。日本のお好み焼きのようなものですが、お好み焼きよりも少し薄く、もっちりした仕上がりのものが多いようです。韓国でも精進料理は盛んですが、法事の際にはチヂミがお供えものとして捧げられることもある人気家庭料理です。  お好み焼きなら、小麦粉に溶く水を多くして、固形的ではなく少し崩れぎみなほど柔らかく仕上げるのがコツです。しかしチヂミの場合は上の断面写真のように表面をカリッと焼き上げ、中はモッチリとやわらかく仕上げます。モッチリさせるために、すりおろした大和芋、あるいは長芋を加え、また小麦粉だけでなく片栗粉も使います。水分の量は仕上がりの固さの好みと、長芋の水分量によって調整して下さい。  一番のポイントは焼き加減です。一番失敗が無いのは、弱火で長時間かけて火を通す方法ですが、焦げにくいかわりに無駄に時間がかかってしまいます。そのため弱めの中火で加熱し、上面のフチのあたりが少し固まってから三十秒くらいで一度フライ返しで少しだけめくってみて、焼き面の状態を確認してみると良いでしょう。焦がしすぎて真っ黒になっては困りますが、ちょうど良い焦げ目がつく程度に香ばしく火を通します。逆側は、表を焼く時の8割くらいの時間で火が通ります。  裏返すのは、テフロンなどの特殊コートのフライパンを使えばそれほど難しくありません。片面がしっかり焼けていれば貼り付くこともなくスッと裏返すことができます。  普通の料理ならばニラを使う場合が多いですが、精進料理なのでニラは使いません。かわりに少しクセのある春菊を使いましたが、冷蔵庫に残ったほうれん草や小松菜などの葉もの野菜でも良いでしょう。  加える納豆の量は好みで加減してください。納豆自体に味があるため、特に味付けせずそのまま食べても美味しいですが、韓国風に胡麻油と酢を使ったつけダレを添えました。 

サクサクトロリ納豆とろろの春巻天麩羅

長芋をすりおろしたとろろに、納豆を混ぜるのは禅寺精進料理の定番です。それに刻み海苔をちらせば、それだけで栄養たっぷり、ご飯がすすむ一品になりますが、今回はそれを海苔と春巻の皮で包み、天ぷら粉で揚げました。 天ぷら粉で包んだ衣はサクサクで、中の納豆とろろはトローリして絶妙な食感です。このまま食べた方が納豆の風味が直接楽しめますが、濃い味に慣れた方はしょうゆ、ポン酢などをお試し下さい。 また、すりおろすのは大和芋やいちょういものように、粘り気が強くて濃い方が揚げやすいです。長芋でも、水分が少ないものを選べば作ることができますが、水っぽいサラッとした長芋だと成形時に苦労しますし、揚げる際に水分がとんでしまいとろろの量が減って空洞ができてしまうため、芋の選定に注意すると良いでしょう。

ふっくら柔らか納豆粥

白飯に納豆・・・納豆ご飯は日本人にとって定番の、和の組合わせの妙ですね。納豆ご飯ならいつも食べているという方でも、「お粥に納豆」の組み合わせは意外と未経験の方もおられるようです。しかし柔らかくふっくらしたお粥に、ちょっと歯ごたえある納豆もまた良い組み合わせです。納豆に加える調味ダシやしょうゆを少し濃いめにすると、淡いお粥の風味によく合います。 修行道場では毎朝お粥が主食です。鍋でお粥を炊くのは少々面倒で、失敗したらどうしよう、吹きこぼれたらどうしようと不安もあると思いますが、「水加減」と「火加減」だけ間違えなければ心配することはありません。最近はお粥モードをそなえた炊飯器もありますが、鍋で炊いたおかゆの仕上がりはまるで違います。是非一度お試しいただき、消化が良く、サラッといただけるおかゆの良さ、そしておかゆと納豆との組み合わせを味わって見て下さい。 できればお粥を作る際には4人分以上を一度に炊く方がうまくいきやすいのですが、今回はニーズに合わせて2人分の分量です。少量だと、少しの火加減違いでも大きく結果が出てしまいます。弱火にする際は、立ち消えに注意しながら可能な限り弱くしてください。IHだと再弱でもまだ強い場合があります。火加減が強いと、蒸発分が増えてしまいボッテリしたおかゆになりやすいので弱く落とせない熱源を使う場合は水加減を増やすしかありません。 お粥の水加減は仕上がりによって変わりますが、今回は少量なのでお米の8倍の水気にしました。熱源に応じて、水加減を変えて調整するとよいでしょう。 また弱火に落としてからはフタをした方が良いのですが、これもまた慣れないと吹きこぼれの危険があります。超初心者の場合はひらきなおってフタをせず、中が見えた状態で炊くと良いでしょう。蒸らす時にだけフタをします。また保温効果の高い土鍋の方が仕上がりは良いのですが、土鍋の場合さらに火加減を弱くしないと吹きこぼれやすく、また蒸発分が多くなってしまうため、慣れるまでは普通のアルミ鍋で作ってみると良いでしょう。 

贅沢なひととき 温かい納豆汁の至福

納豆汁は江戸時代に大流行したといわれます。いまでいうインスタント味噌汁のように、納豆と味噌を容器に入れてお湯を注いで溶いて食したようです。 特に、冬場に雪がたくさん降って生の野菜が獲れずに野菜不足になりがちな東北や新潟、関東北部などの雪国で冬場に食物繊維やタンパク質の不足を補うためによく食されました。 納豆だけを具にすると薄まってしまいかなり多めの納豆が必要になるため、ゴロッとした具と合わせると良いでしょう。具はじゃがいもや牛蒡などなんでも良いのですが、おすすめは里芋です。里芋のぬめり気が納豆の粘り気とよく合い、汁にうっすらととろみがつきます。 好みにもよりますが、ダシをしっかりとって味噌は少し濃い目に溶き、その分納豆自体には付属のダシを加えないか、少量に抑えて混ぜると良いでしょう。 納豆の滋養を、温かい汁でゆっくりといただく贅沢は本当に至福のひとときとなります。