先輩僧侶の著書に抗議

お盆明けブログ記事は書評です。
残念ながらお薦めしたい本ではなく、この本の内容に聊か抗議したいのです。

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著者は同じ曹洞宗のご住職。永平寺で修行ののち、大学院の博士課程まで修め、続いてアメリカにも留学した素晴らしい経歴と熱意を持った方です。

そんな俊才が著したこの本の趣旨は

1「うちの寺は檀家制度を廃止しました。檀家をお寺に縛り付け、寄付や高額なお布施を強要することはしません。今後は強制してではなく、うちの寺そして住職が良いと思ってくれる方が、自主的にうちの寺を選んでもらえるようなシステムにしました」

2「うちのお寺は宗教法人法はじめ各種法規をきっちり守っており、書類もしっかり官公庁に提出しています。お寺の会計はしっかり公開し、不正することなく必要な部分は納税もしております」

3「従来の葬儀や墓地はお金がかかりすぎます。葬儀社や墓石業者の中間マージンを省くため寺独自の葬儀を行い、墓地も運営することにしました。これによりかなり安価に提供することができるようになりました」

細かい点もたくさん書かれていますが、私が読んだ限りでは以上の3点にまとめることができ、特に1が書籍を終始貫いている最重要点です。
後はお寺業界の悪習や不合理な点を指摘したり、近年問題になっている宗教トピックスの紹介などにも触れられています。
一般読者がこの要旨を読んだら、「おー、それは良い事じゃないの、とかく批判されがちな仏教界にもこうした素晴らしい改革者が出て明るい話題だね」と好意的に受け取るでしょう。

そしてそれに反論があるなどといえば、「そりゃあ旧体制のお寺業界にいる和尚はこうした新しい動きに対して文句を言って足を引っ張るだろうね。既得権益を守りたいだろうからさ。どんな業界でも改革者は批判されるものだが、和尚さんまでこれじゃあいやだねえ」と言われてしまうかもしれません。

その上、本書への批判をすることで、どこかで敵を作ってしまうかもしれません。
そしてわずかかもしれませんが当ブログで記事にすることでこの本に興味を持つ方が増えてしまうという弊害もあります。

そこまでわかった上で、あえて本書への批判を書きたいと思います。
いや書かずにはおれないのです。もちろん、改革者へのやっかみや既得権益への執着などといった薄っぺらい理由で批判するのではありません。(つづく)

 

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Posted by 管理主宰者・典座和尚