NHK 新日本風土記 永平寺 托鉢と老婆

さきほど、NHKで永平寺の特集番組が放映されていました。

廊下の雑巾がけをする修行僧のはだしの足をカメラがアップし、そのひび割れたかかとを見て20年前の修行を思い起こしました。寒さでひび割れた足と手で、台所の水場での修行は本当に辛かったです。

 

さてテレビでは、托鉢のようすが写りました。

福井市内に赴いて托鉢すると、老婆が修行僧が持つ椀にお布施のお金を入れ、インタビューに「私ももう年をとったから永平寺まではなかなかお参りに行けなくてねえ、こうしてわざわざ来て下さって本当にありがたいことです」とおっしゃっていました。

受け取る人によっては、「なんだこの坊主め、お布施が欲しくて家までおしかけてきやがって!誰がやるもんか!」という考えもあるでしょう。しかしこのテレビの老婆は、自分が永平寺に行ってお布施すべき立場であるのに、お坊様がわざわざここまで来て下さり、お布施の機会を作って下さった、とありがたがっているのです。

なんとも尊い信仰心だなあ、と感じました。本気でそう思っていなかったら、なかなかこうしたセリフは出ないでしょう。時折、お布施と包み袋に書いてあっても、まるで「お経の代金」のように、料金を支払うかのような意識で渡してくる方もおられますが、それは大きな間違いです。

「お布施をさせていただく」ということがどういうことなのか、よくわかっている言葉だと思いました。

 

永平寺での真面目で厳しい修行ぶりが、福井の方々に知られているからこそ、こうした深い信仰が今も生きているのだと思います。

托鉢しても「あっちいけ、しっし」と言われてしまうとしたら、そう考えさせてしまう僧侶の側にも責任がありそうです。そうならないよう、僧としてあるべき行いを積めるように精進いたします。

 

なお番組は後日再放送するようです。どうぞご覧下さい。

「新日本風土記 永平寺」再放送4月8日(金)午前8時~ NHKBSプレミアムBSプレミアム 永平寺

 

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3件のフィードバック

  1. 調理師の卵 より:

    私は関西の和食店で調理師見習いをしています。私が働く店では、観光地で有名なお寺さんから、法要の料理仕出しの注文がよくあるので、精進料理も作ります。将来は自分の店を持ちたいと思い、今は毎日つらいですが兄さんたちのシゴキにも頑張って耐えています。永平寺の修業も同じなのかなあと思いながら私もこの番組を見ていました。

    そこで、突然で失礼かもしれませんが質問があります。
    台所のシーンで、大きな鍋に昆布1本と椎茸1枚が浮いていて、出汁をとっている場面がありました。和食の基本からすると、水分の量にくらて椎茸や昆布があまりにも少なすぎる様な気がしますが、何かいわれや規定などがあらはってのことでしょうか?あの分量では出汁はほとんど出ないと思いまして、兄さん方や親方にも聞いてみたのですが、皆さんその量はまずプロの店では聞いたことがないな、という反応でした。
    精進料理には肉魚を使わないので出汁の濃さは大事だと思うのですが、なんであんなに少ない量なのか、知りたいです。

    それから、その後野菜のくずを干して漉し袋に詰め、出汁をとる方法も映されました。食べ物の命を無駄にせんいうことで、いつも私たちも親方から厳しく言われているので感激しました。ただ、今度はその分量が、水の量に比べてあまりにも多いと感じたのですがそれは逆に何か意図があらはるのでしょうか?あれでは雑味やアクだらけの出汁になってしまい、料理の味がおかしくなるような気がするのですが。あの出汁は何の料理に使う出汁なのでしょう。せっかく干して保存できるようにしたのだしあれほど一度に使わずに、何回かに分けて使う方が良い出汁になると思います。

    お寺の料理には、さまざまな規定や慣例があると聞いています。料理店と違い、料理の味を優先しているわけではないのはわかりますが、詳しいことはなかなか聞けません。料理人として、勉強しておくべきことだと思い、お忙しい中と思いますがどうか教えていただければありがたいです。よろしくお願いします。

    • 和食店での御修業、毎日大変なことでしょう。
      しかし厳しく学べる場というのはありがたいものです。今のがんばりは必ず将来の自分の財産になりますから、つらいことがあってもグッとこらえて励まれることを祈っております。
      さて、ご質問の永平寺のダシのとり方についてですが、そうですねー、ちょっと今回の番組のダシのとり方については、あまり私からお答えすべきものではないと思っております。
      当サイトは永平寺の公式窓口ではありませんので、曹洞宗の一僧侶である私の回答が永平寺としての公式回答であると誤解を受けてはいけないですから。

      歯切れが悪い回答で申し訳ありません。回答があるかどうかはわかりませんが、一番良いのはどうしても疑問に思うようでしたら永平寺に問い合わせてみるのが間違いないでしょう。お役に立てず申し訳ありません。

      ただ一ついえるのは、永平寺で行われていることがすべて数百年の伝統の作法かというとそうではありません。
      その教えの根幹や、理念は変わらず同じなのですが、細部の実行方法は指導する老師の考え方やその時々の運営事情や社会環境等により変わることもあるのです。
      例えば薪を使ってかまどで煮炊きしていた頃と、防火上の理由からガスを使うようになった今とでは、お寺の台所の作業手順や調理方法、コツは大きくかわりました。それと同様に、ご質問いただいたダシのとり方については、その時々の典座和尚(調理指導責任者の高僧)によって変わるのです。
      今回紹介されたダシのとり方は、私が学んだ方法とは違います。そうしたこともあり、当方からの回答は差し控えるべきだと考えます。

      良い悪いという問題では無く、和食店でもそうだと思いますが、親方によって同じ調理でも考え方や手順が違いますよね。永平寺の精進料理もそれと同じなのです。

      せっかくご質問いただいたのにお役に立てず申し訳ありません。
      どうぞ、お互い今後も料理の道に精進いたしましょう。
      独り立ちなさってお店をもたれたら是非お伺いさせて下さい。

      • 調理師の卵 より:

        ご返事ありがとうございました。
        なかなか丸一日休みの日がなく、店の休憩時間にしか書き込めない立場なのですぐに再コメントできず申し訳ありません。
        管理主宰者・典座和尚さんの回答から、今回の質問に答えるのは色々と微妙で応えにくい立場なのだということがわかりました。私の質問で困らせてしまったようでごめんなさい。確かに、永平寺の料理長のやり方について、お若い管理主宰者さんがあれこれいうことはできないですね。調べてみたのですが永平寺のホームページが見つからなかったので、こちらに質問した次第です。(典座ネットは、大変参考になるのでときおり見ています。おいしそうな写真ばかりで、落ち込んだ時にもやる気がわいてきます)
        昔と違って、今は和食店もサラリーマン的というか、会社としての側面が強くなり、親方が若い者をビシビシ指導するような環境はあまりなく、定時に出社してマニュアル通りに分担された持ち場所をこなすという感じです。暴力的な指導はなくなったし、ただ働きのような安月給でこきつかわれたりしないので良い面もありますが、その代わり昔のような真剣みというか、先輩から必死で教わるような場面も減っています。まだうちの店は昔式なので、つらい面もたくさんありますが私には合っています。なので永平寺のテレビを見て、こういう修業が大事だなあと感じました。
        是非、管理主宰者さんに来ていただけるようなお店を持てるように頑張ります。今日も日曜日で、忙しくなりそうです、頑張ります。

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