和尚の遅刻に一言

ネット上で僧侶に対する厳しい意見をよく目にします。
もちろん、私個人に対する意見ではなく、僧侶全般に対しての意見です。 

 面と向かって和尚に直接いうのはなかなかできないことでも、匿名のネットなら書きやすいということなのでしょう、お檀家さんの本音がよくわかるため、ときどき参考にさせて頂いております。
 
 定番と言って良いほど多いのは、「和尚が高級車に乗ってゴルフと酒場」というものです。
まあ色々な和尚がいるのでなんともいえませんが、はっきり言ってそういう和尚はごくごく少数派です。それをあたかも和尚は皆そうだ、といわんばかりの書き込みが多いことに辟易します。
 
 次に多いのが「檀家の意見を聞いてくれない」「横暴だ」「マナーが悪い」「遅刻が多い」など和尚の人格に関するもの。
 これまた人それぞれですし、個別の状況によるので判断するのは難しいのですが、今回「遅刻が多い」ことに対して少し意見を書きたいと思います。

 確かに私の知っている中でも、「遅刻」常習の和尚は何人かいますね。
こういう人は基本的に遅れたことを反省しません。
 なので次回も同じ過ちをしてしまう。
そういう確信犯的な人は別として、ほとんどの和尚は時間をキチンと守ります。

 私などは気が小さいため、講演や法話、精進料理教室を依頼された時はかなり早めに現地に到着し、会場の近くで時間をつぶすようにしています。遠路の場合は途中何があるかわかりませんし。
 今のところそうした依頼に遅刻したことはありません。

 ただ、ふだんのお檀家さん宅での法事などは、数年に一度くらいは約束の時間に10分程度遅れてしまうこともあります。
 それはどういう場面で起きるかというと、ほとんどが寺を出発する前に、別の檀家さんから電話がかかってきたり、あるいは突然の訪問があったりした場合です。
 前もって「明日お寺に行って良いですか」くらい電話してくれれば嬉しいのですが、ほとんどの方が突然来ます。
 
 そうなるとこちらも、せっかく来てくれたのに「悪いですが今から法事に行くのでまた後で来て下さい」とは言えません。訪問者の用件をお聞きし、多少世間話などしていると法事の約束時間が迫ってしまうことはよくあるのです。これ以上長引くと遅刻してしまうという時間には、「すみません、今から法事に行くのでそろそろこの辺で」と切り上げるのですが、ご高齢の方はそんなこちらの都合はおかまいなしにジャンジャン話を続けるものなのです。
 それを無下に打ち切るってのは、和尚としてあまりにも無慈悲ですよね。
 くだらない営業電話なら速攻で切るのですが、久しぶりに電話してくれたお年寄りの話を早めに打ち切るってのはなかなかできません。

 そしてそうした来客と電話が重なってしまうこともこれまたよくあります。
まあ土日祝日はお檀家さんも休みの場合が多いのでしかたないのですがね。

 他にも、一日に何軒も法事が続く、いわゆる「ハシゴ」状態の時には、前のお宅で複雑な相談や質問を受け、それで話が長くなってしまい次の家に遅れてしまうこともあります。
 
 要するに、ずぼらでいい加減で遅刻するのではなく、和尚としてやむをえない遅刻、というのが実際あるのです。いくら時間に余裕をみて行動してもどうにもならない事情です。
 あくまでも約束の時間を優先して、そうした檀家さんの話や電話を時間キッチリに切り上げる和尚を望まれるならしかたありませんが・・・

 そしてふだんの和尚の行動や人柄が良くて、お檀家さんと信頼関係を保っていれば、多少そうした事情で遅刻しても、正直に「いやー出発前に来客がありまして」とお詫びすればそんなにネットで罵詈雑言を書かれるほど激怒されるはずはないと思います。
 結局はふだんの行いが大事だと言うことですので、これからも自戒したいと思います。
  
 ということで、和尚の「遅刻」だけは、ごくたまに5分程度だけなら、そうした事情をお汲み取りいただき、広い心でお許しいただければ幸いです。

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Posted by 管理主宰者・典座和尚